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キャンピングカーのエアコンは、自動車のエンジンで使用するエアコンと室内を冷却するためのエアコン(ルーフエアコンなど)の大まかに2つに分けられる。
運転中に使用するのは、自動車のエンジンで使用するエアコン。一般的な車両であればダッシュボードにエアコンのスイッチや風量調整がついている。
一方、キャンプ場など自動車のエンジンを停止した状態で使用するエアコンは、天井に取り付けられたエアコンなどでコンセントや発電機のAC電源で使用するエアコン。一般的にルーフエアコンと呼ばれる。
国産キャンピングカーには発電機+ルーフエアコンが標準装備のキャンピングカーは少く、屋根にルーフエアコンを積載不可能なキャンピングカーも存在する。
日本のように夏場の気温と湿度が高い環境でルーフエアコンが無いのは厳しい面もある。しかし、コスト面や屋根の強度、重量バランスなどの問題から国内ではルーフエアコンの標準装備が少なく、逆に輸入車はほとんどが標準装備。
また、ルーフエアコンも海外製で高価なのが現状。
最近家庭用ルーフエアコンを搭載したキャンピングカーを目にするようになったが家庭用エアコンを自動車で使用する場合の注意点などを国内家電メーカーの三菱電機株式会社へ質問してみた。以下はその回答。
走行中の振動、衝撃によって、構造体の変形、内部配管類の共振による折損で、ガス漏れ、取り付けネジのゆるみなどが発生することが懸念されます。
また、発電機による電圧変動、電源波形のひずみなどで制御基板内のマイコンが誤動作を起こすこともありますので、安定した電源供給が望まれます。
さらに、室内機側ではドレンパン内のドレンが波立ち、水漏れすることが想定されます。
保証の範囲外です。上記のように種々のトラブルの発生が想定されますのでエアコンの保証書には「エアコンを船舶に搭載、車載にした場合は一切保証はいたしかねます。」とお断りをさせていただいております。
家庭用エアコンは、あくまでも家庭用として設計されています。
そのため、車両搭載に関しては、故障や重大な事故の発生につながることも考えられますので、車両への搭載については、お勧めできません。
また、停車中のみの使用であったとしても、取り付ける位置やドレンの位置などと車体の傾によりドレンから水が抜けなくなり車内に水があふれてくることも考えられます。
そもそも100%固定で使用する環境に合わせて開発された家庭用ルームエアコンですので、振動や衝撃の加わる自動車に積載して使用することに関しては、お勧めできません。
国内のルームエアコンの室外機は、30~40キログラム前後。室内機の重さは15キログラム前後。また、搭載には、室内機と室外機を高圧、低圧の銅管とドレンホースの取り付けが必要。
ちなみに、外国製ルーフエアコンは、約40キログラム。室内機と室外機が一体となった形であるため、天井にAC配線のみがあれば取り付け可能。