知っておきたいキャンピングカーの構造と補修
キャンピングカーの外装補修
一般的にキャンピングカーの多くは、外装にFRPを使用している。
国産キャンピングカーの製造は、FRPを使った一体成型工法が多く、北米キャンピングカー(クラスAやクラスc)では、FRPマットを圧着したパネルを組み合わせるパネル工法が多い。
キャンピングカーに使用されているFRPは、一般的にガラスマットの厚さが2mm程度しかなく(裏にはべニア在や断熱材がある)、軽くぶつけただけでも割れたり穴が空いたりヒビが入ったりすることがある。
鉄板と異なる点は、力のかかり具合では、FRPに穴が空いたり割れたりすること。鉄板なら凹みにパテを塗り成形するが、FRPの場合は、穴を塞がなければならないことやパテで成形しても時間の経過とともにパテの部分から割れてくることがある。そのため、FRPの補修を行う場合、後から割れが生じない補修法が必要となる。
FRPの補修(米国製クラスCキャンピングカー)
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左後部を損傷。穴が開き、FRPは割れ、内部の板は腐っている。 |
破損し、ささくれた部分をグラインダーでカットする。さらに穴周囲をテーパー状にグラインダーで削る。 |
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腐食した木材もカットし、事前処理後に発泡ウレタンを注入する。 |
発砲ウレタンが乾いたらフラットになるよう研磨し、ガラスマットを貼る。破損個所周囲をテーパー状に削っているため、FRPの接着面が大きい。これがポイント。後から割れにくくなる。 |
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FRPを研磨しフラットにする。さらに、アルミパテを塗り、さらに研磨。その後、サーフェーサーを塗装する。 |
サーフェーサーを600番の耐水ペーパーで研磨し、本塗装を行う。乾燥後、磨きをかけて修理完了。 |
車体に穴が空いた場合、そのままにしておくと雨漏りの原因となるばかりか、雨水が入りベニア材が腐食したり、断熱材とFRPの間に腐った木材や水がたまり、外装のふくらみが発生する場合がある。
穴があいたら、変性シリコンを塗り雨水が浸入しないようにするか、アルミテープを使用して水が侵入しないようにすることが大切である。