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フォード車のデイーゼルエンジンに関して

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フォードデーゼルエンジン用冷却液に関して書く予定でしたが、フォードデーゼルエンジンは多くの複雑な変遷を経て現在のPSD(PowerStroke Diesel)に至っていますので、その状況を簡単に書いてみます。 Fシリーズ(ピックアップトラック)、Eシリーズ(クラスB、クラスC、エコノラインバン)、その他SUV等のデイーゼルエンジンにお乗りの方には冷却液選択の他に部品購入や修理の際に役立つのでは無いかと思います。

フォードのFシリーズ、Eシリーズにデイーゼルエンジンが最初に発表されたのは1983年で、この時から2010年まではナビスター(インターナショナルトラック)がフォード用に製造しましたが、昨年フォードが独自に開発したデイーゼルエンジンに変更となりました。

一般にフォードのデイーゼルエンジンはPSD(PowerStroke Diesel=パワーストロークデイーゼル)と呼ばれますが、実際は1994年以降のDI(Direct Injection=直接燃料噴射)噴射装置を装備してからのエンジンで、1983年の6.9(リットル)から1994年の7.3(リットル)まではPSDではありません。

エンジンサイズに関して簡単に説明しますと、最初に6.9(リットル)が登場し、その後ボアー(シリンダーの直径)を約2.8mm広げて7.3(リットル)となりました。 従ってウオールシックネス(壁厚=肉厚)が薄くなった為にキャビテーション問題に関しては余り良く無い結果となった訳です。 

廃棄ガス規制と燃費向上に沿う為に6.0(リットル)が登場、初期はリコール問題が色々有ったものの改善され6年間製造されました。

廃棄規制が更に厳しくなった為ボアー(直径)を広げ6.4(リットル)とし、ターボも1個からに2個にしました。 

2010年には其れまで製造されたナビスター(インターナショナルトラック)製ではなくなり、独自の開発によるパワーストローク6.7(リットル)となりました。

上のチャートはフォードのデイーゼルエンジンの変遷を大雑把に示した物で、この他にも毎年多数の変化があります。 又、年式は製造年と異なる場合もありますし、車に依っては前年や翌年のエンジンが搭載されている可能性も考えられます。

“製造過程で部品が足らない場合は2-3年前の部品を使う事も”、それは無いと思います - 冗談です。

次回はフォード、特に7.3(リットル)用の冷却液に関して書く予定です。

ラジエーター冷却水(不凍液)の交換、 その5 デイーゼルエンジン用の冷却液-2

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話を先に進める前に、大型トラック用冷却液やフィルター類で有名はフリートガード(Fleetguard)のサイトに興味深い冷却液に関する説明がありましたので添付します。
http://www.fleetguard.com/pdfs/product_lit/asia_pacific_brochures/3300963A.pdf
説明の仕方が多少異なる所もありますが基本的な部分は此れまでに書いた事と同じです。 この中には、“水道水だけ(デイーゼル用冷却液を使わない)を使用すると条件次第では500時間程度でキャビテーションに因りシリンダーに穴が貫通する”と書かれています。

•  デイーセルエンジン用不凍液の色
日本では赤と緑が多い様ですが、不凍液は多数の色に着色されており、中でも緑、赤、黄、青、ピンク等が一般的です。 此れらの色は冷却液のタイプを示す場合もありますが、特別な決まりが或る訳ではありません。  大型デイーゼルエンジン(輸送トラック)の冷却液は殆どが赤です。

•  冷却液の混ぜ合わせ
基本物質が異なる冷却液を混ぜますと当然ながら各々の冷却液の目的が達成出来ないどころか、問題を起す可能性は想像が出来ます。 冷却液を変更する場合、特に色の異なる場合はラジエーターのドレインプラグ以外にエンジンブロックに付いているプラグも外す等して古い不凍液を流し出し、適切な方法を使って水を循環させて古い冷却液を取り除く事が理想的です。

•  相性
冷却液には相性があります、即ちデイーゼルエンジンAに適正な冷却液がデイーゼルエンジンBには適合しないものもあります。 それはメーカーに依り、エンジン、ラジエーター、サーモスタット、ポンプ等の部品、更にはガスケット、シール、接着剤等の材質が異なるからです。

日本にはフォードデイーゼルエンジン搭載車(インターナショナル製)が多く入っているようですが、次のフォードサイトにPSD 6.0と6.4用の冷却液の説明がされています。 
https://www.fleet.ford.com/truckbbas/non-html/DeiselTips/DLSCOOLANTINFOSS.pdf
此れに依りますと7.3用(2003年以前)には別に専用冷却液があると書かれています、即ち異なる冷却液を使用する必要があります(PSD 7.3に関しては別に後ほど書きます)。

冷却液の選択方法:
冷却液の選択は同じ色であれば混ぜる事が可能な印象を与える様な書き方をする人が居ます。 しかし同じ色でも混ぜる事が出来ない物もあり、異なる色の冷却液は先ず間違い無く混ぜる事が出来ないと考えた方が無難でしょう。 

一番確実な冷却液選択方法は“オーナーズマニュアルに従い、規格に適合した冷却液を使用”する事です。 


次回はフォードPSD 7.3用冷却液に関して書く予定です。 PSD 7.3は最もキャビテーションが起こり易いエンジンの中の一つとされています。

参考:  私は購入後間も無く赤色のバルボリン製ズイーレックス(Valvoline Zerex)に交換し、現在も使用しています。 この冷却液を選択した理由は、使用エンジンメーカーの規格に合う事、ケイ酸が入っていない事、SCA残量を調べたり加えたりする必要が無い事、ELC(Extended Life Coolant=3年又は3百万マイル)である事、全国の多くの部品店で手に入り易い事等が思い出されます。

ラジエーター冷却水(不凍液)の交換、 その4 デイーゼルエンジン用の冷却液-1

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デイーゼルエンジン用冷却液の選択並びに使用は非常に複雑で、同じエンジンでも年式に依って異なる冷却液が推選されている場合もあります。 従って、必ずオーナーズマニュアルに従って冷却液を選択し、使用して下さい。 読むと納得して頂けると思います。

今回はデイーゼルエンジン用の冷却液が重要な理由を書いてみます。

デイーゼルエンジン用冷却液には色々の種類があり、選択も色々あり、更に間違った選択をしますとエンジン、ラジエーター、ウオーターポンプ等の寿命を短くして仕舞います。

デイーゼルエンジン用冷却液に関する事柄:
•  キャビテーション
ガソリンエンジンと異なりデイーゼルエンジンにはキャビテーションと呼ばれる問題があります。 キャビテーションとは一般的に船のスクリューが水の中で空気を吸い込む事を言いますが、デイーゼルエンジンに関する場合は冷却水の低圧部分で極細の気泡が出来、この気泡がシリンダーに付着し、最終的に破裂をして付着表面を腐食させる事を意味します。  極細の気泡が破裂する際は非常に高い温度と圧力を発生する為にシリンダー壁を腐食し、長く続くと穴をも開けて仕舞います。 

デイーゼルエンジンは圧縮比が高い為シリンダーウオールが振動を繰り返してキャビテーション問題が起り易く、特にシリンダーウオールが薄いデイーゼルエンジンやウエットスリーブと呼ばれる構造のデイーゼルエンジンには重大な問題です。

冷却システムに漏れが有ったり、冷却水が充分入っていない為にリカバリータンクから空気を吸い込む状態ですと冷却システムに空気が入ってキャビテーションを促進します。

•  デイーゼル用不凍液の機能
本来、冷却液(不凍液)は凍結温度を下げる事と沸騰温度を上げるのが目的ですが、添加剤(SCA=Supplimental Coolant Additive、DCA=Diesel Coolant Additives)の作用で錆(酸化)、特にキャビテーションに依る腐食を防ぎます。 

•  添加剤(SCA,DSA)
冷却液にはアルミの腐食を防ぐ為にケイ酸塩が含まれているものがあります。 ケイ酸塩はアルミの腐食を防ぐ有効な物質ですが、消耗しますので無くなった時点で補充をするか冷却水の交換をする必要があります(ケイ酸塩以外の腐食防止剤も遣われている)。

ケイ酸塩を含んでいない冷却液をデイーゼルエンジンに使用する場合は添加剤としてケイ酸塩が販売されています。 ケイ酸塩に比べて錆止めや腐食防止の添加剤は長期間有効です。

ケイ酸塩には問題があります。 入れ過ぎるとケイ酸(シリカ)が堆積してラジエーター、エンジン、ウオーターポンプ等の水路を詰らせて仕舞います。 又、付着した珪素塩の表面はザラザラな為にウオーターポンプのシール等を傷めて漏れの原因になります。 この為部品を長持ちさせる為にケイ酸塩が含まれていない冷却液も多く、ガソリンエンジン用の緑の冷却液には一般的にケイ酸塩が含まれていません。 

アメリカと日本の冷却液では異なる様で、アメリカで販売されている日本車(ガソリン乗用車)に入って来る緑(ホンダ)や赤(トヨタ)にはケイ酸塩は入っていないとの事で、ケイ酸の問題を考えての事だと思われます。

デイーゼル用冷却液でケイ酸が含まれていない物もあります。
(写真の様なピンクの冷却液もありますが、ケイ酸塩の有無とは関係がありません)。

続きは次回にしますが、最終的にはデイーゼルエンジン用冷却液の選択の仕方を書きます。

ラジエーター冷却水(不凍液)の交換、 その3 水を加える場合の注意

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不凍液の交換時に限らず、非常に大切ですのでここで書き加えます。

エンジンが熱い場合にエンジンを止めて水を加えますと温度差の為にエンジンが膨張する場所と収縮する場所が現れ、エンジンブロックやヘッドが歪んだり割れたりします。 エンジンが熱い場合は必ずエンジンを回転(アイドリング)させながら冷却水が循環する状態で水を加えますと安全です。 

走行中にオーバーヒートをした場合は特に気を付ける必要があります。
オーバーヒートの原因に依って対応の仕方は大きく異なりますが、単にエンジンに負担を掛け過ぎやラジエーター不調が原因のオーバーヒートでしたら駐車してエンジンを回転させながら温度を下げるべきで、エンジンを停止させるのは良くありません。

しかし、ファンベルトが切れて仕舞ったり、オイルが無い状態では回転を続けますと益々温度が上りますので、エンジンを止めてエンジンから離れた部分に僅かの水を掛け、エンジンの温度が均一に下る様にします(水は蒸発する際に多くのカロリーを奪い温度を下げます)。

オーバーヒートをした場合、ラジエーターキャップを外しますと内部の圧力が下り、沸騰温度が下る為に冷却水が沸騰して仕舞います。  この状態ですと例えエンジンを回しても加えた水を吐き出してしまう結果に成ります。 ラジエーターキャップを付けた状態でエンジンを回転させて温度がある程度下るのを待ち、沸騰しない温度に下ってからエンジンを回しながら水を加えます。

オーバーヒートをした場合は状況により異なりますので、適切な判断が重要です。

次回はデイーゼル冷却液に関して書く予定です。

ラジエーター冷却水(不凍液)の交換、 その2 冷却水の交換方法

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交換は状況により色々異なりますが、私が行う方法で説明します。 最初に思い付く注意点を列記し、その後作業の順に説明を進めます。

1.  注意点:
•  古い冷却水の処理法
•  高温でラジエーターキャップを外すと冷却液の噴出による火傷
•  エンジンが高温時にドレインプラグを外す際の熱湯による火傷
•  エンジンに極端な温度差があるとエンジンブロックやヘッドが歪んだり割れる
•  冷却水をヒーターシステム内も循環させる為にヒーターをオンにして行う
•  ラジエーターから冷却水を全て抜いても冷却水はエンジンやホースに約半分近くは残っている

2.  古い冷却水の処理:
EPA(環境保護庁)は自動車エンジン冷却水を危険物とは指定していませんが、ガソリンや重金属が混ざっている物に関しては危険物とみなされます。 更に冷却水は匂いや味が甘く、鳥や動物が好む為に垂れ流しをしたり蓋のされていない容器に入れて放置する事は禁じられています。 私の住んでいる所では、市や自動車部品店に持って行けば処理してくれます(無料 - 税金で)が、常に、一旦バケツやドラム缶に集めて条例に従い正しく処理をする必要があります。

3.  準備:
エンジンマニュアルに従って正しい冷却液と容量を調べ、必要な冷却液と充分な(方法に依り異なるが少なくとも30リットル)蒸留水を用意します。 必要な道具はドレインプラグを外す工具と冷却液を集める容器の他にバケツ等の必要量の冷却水を溜める事の出来る容器が必要です。 木箱等にゴミ袋を入れた即席容器を利用すれば繰り返し使用も可能です。

4.  水抜き:
エンジンが熱い時はラジエーター内は圧力が上っていますのでラジエーターキャップを外す際に冷却水が噴出する危険があると共に、プラグを外す際に火傷をしない様に注意をする必要があります。 古い冷却水を抜くには大きな容器をラジエーターの下に置きラジエーターの下部に取り付けられているドレインプラグを緩めます。  ドレインプラグから完全に冷却水を抜き、更にリカバリータンクも空にします。

5.  水道水を加える:
ドレインプラグを締めて水を加え、ラジエーターキャップを閉め、高アイドリング(1,000-1,200RPM)状態で冷却水が循環するまで待ちます。 温度が上ってサーモスタットが開く迄は冷却水は循環しませんので、サーモスタットを外して行うと温度が上るのを待つ必要はありません。 10年以上(人によっては4-5を唱える)経ているサーモスタットは交換が必要です。

6.  蒸留水を加える:
上の水抜きを2-3回繰り返した後、水道水の代わりに蒸留水を加え、再度、高アイドリング状態で冷却水を循環させます。

(参考: 冷却水の銘柄を変更しない場合に比べ、銘柄を変更したり、長期間使用して汚れた冷却液を交換する場合には出来るだけ全ての古い冷却液を取り除く必要があり、エンジンブロックに付いているドレインプラグから冷却水を抜いたり、ラジエーターフラッシュ洗浄液使用も考慮する必要があります。)

7.  蒸留水の補充:
蒸留水が入っている状態でドレインプラグを開き、エンジンを回転させながら蒸留水をラジエーターに補充し、蒸留水が充分入れ替わった状態でエンジンを止めて冷却水を抜き、ドレインプラグを元通りに締めます。

8.  冷却液を加える:
ここでマニュアルに示されている冷却システム容量の半分の量の冷却液(100%)をラジエーターに注ぎ、残りを蒸留水で満たします。 此れで冷却水の濃度は約50%―50%になります。 リカバリータンクには蒸留水を入れても数回の走行で冷却水と混ざって同じ色になります。

9.  エアー抜き:
温度計が上らない場合はシステムに空気が入っている可能性がありますので、空気抜きをします。 エンジンに依っては空気抜きネジが付いている物もありますが、無い物はラジエーターキャップを外してラジエーターホースを数回押さえつけて空気を出させる必要があります。 通常、走って居るうちに空気が出てリカバリータンクの冷却水の量が減りますので補充する必要があります。 漏れによる補充の場合は50%―50%不凍液が必要です。


以上が私が行う方法ですが、冷却水フラッシュキットをヒーターホースに取り付けますと、次の3本のビデオに示されている様に冷却水の交換を簡素化する事が出来ます。
http://www.youtube.com/watch?v=_jcjwQXUiiM
http://www.youtube.com/watch?v=Lx7FJPUviDc&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=tVWznOl-WZw&feature=relmfu

参考になさって、条例と状況に従って行って下さい。
次回はデイーゼル冷却液に関して書く予定です。

ラジエーター冷却液(不凍液)の交換、 その1 冷却液の種類

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冷却液(不凍液)は色々な意味で注意が必要です(今は夏ですので冷却液と呼びます)。 

その注意点は:
1.  エンジンオイルとは違い、異なる種類の冷却液を混ぜる事は出来ない
2.  熱い(特にオーバーヒート)状態でエンジンを止めて冷水を加えるとエンジンは割れたり歪む
3.  デイーゼルエンジンの冷却液はガソリンエンジンの場合と異なる
これら3点は重要です。

1.  冷却液の種類:
冷却液は一般に不凍液とも呼ばれ凍って膨張する事でエンジンを破壊する事を防いだり沸騰温度を上げますが、錆止め、エンジン部品表面の保護等の役目も果たす為に基本物質の他に異なる添加剤(SCA=Supplemental Coolant Additive、DCA=Diesel Coolant Additive)が加えられている物もあります。

基本的には3種類の冷却液があり、それらは:
•  一般乗用車やガソリンエンジントラック用で一般的にはSCAは関係無し
•  デイーゼルトラックに使用の目的で既にSCAが含まれている
•  デイーゼルトラックに使用の場合、SCAを加える必要がある

上の同じ種類の冷却液であっても、混ぜる(ミックス)事が出来る関係の製品もあれば混ぜると凝固をしたり機能を失う関係の製品もありますので、常に単一冷却液(商品)を使用するのが確実でしょう。

一般的な乗用車用の冷却液は其れほど心配の必要はありませんが、デイーゼルエンジン用はSCAが必要ですが多過ぎても問題ですので、エンジンメーカーのマニュアルに従って選択する必要があります。 (後ほど説明)

次のサイトには多くの有益な情報が含まれています(1頁、7頁、8頁)。
http://www.eetcorp.com/antifreeze/Coolants_matrix.pdf

•  冷却液の種類
•  冷却液の色によって大体の予想が付く(完全では無い)
•  冷却液間の互換性
•  エンジン(ディーゼル)に対する適応性
•  添加剤(SCA=Supplemental Coolant Additive、DCA=Diesel Coolant Additive)

参考:
OAT: Organic Acid Technology (技術名)
CAT: Caterpillar Engine (エンジンメーカー)
ASTM:  American Society for Testing and Materials (技術規格)
ELC:  Extended Life Coolant (長期使用可能冷却液)

冷却液の種類に関しての結論:
乗用車や小型トラックのガソリンエンジンに関しては冷却液を定期的に正しい方法で交換すれば神経質になる必要はありませんが、デイーゼルエンジンの場合は神経質になる必要があります。

次回は冷却液の交換方法に関して書く予定です。

オートパーク

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前回はフォードの問題箇所を取り上げましたので、今回はシボレーのよく話題に上るオートパークの問題に関して書いてみます。 私はオートパーク付きを使用した事がありませんのでネットで読んだ事を元にして書きます。

最初に、色々の問題解決法がウェブサイトに出ていますが次の2箇所を紹介して於きます。
http://oemys-performance.com/j71autopark.htm

http://www.wolfswords.com/motorhome/auto_parking_brake/PUMP%20MOTOR%20SWITCH..RGS...replacement.pdf

オートパーク(シボレー=ワークホース)の問題:
パーキングブレーキが解除出来なかったり、走行中にパーキングブレーキが突然作動したり引きずる故障です。

オートパークの機能:
一般的なパーキングブレーキはハンドレバーを引いたりやフットペダルを踏むと機械的(ケーブル)にブレーキライニングを締め付けて車輪の回転を止めますが、オートパークの場合は油圧で作動させる構造になっています。 

パーキングブレーキが解除された状態では油圧がスプリン力に打ち勝ってピストンを押し、ブレーキライニングを開いて車輪が回転出来ますが、パーキングブレーキを作動させますと油圧が無くなりピストンはスプリングの力で押し戻されてブレーキライニングを締め付ける構造になっています。

該当車:
オートパーク(パーキングブレーキ)は全てのシボレー(ワークホース)に付いて居る訳では無く、P30、P32、ワークホース シャーシーの総重量14,000ポンド以上に取り付けられています。

年式に依り大きく分けて3種類:
1. パワースレアリングポンプの油圧 + フットパーキングブレーキ 1989年-1993年 
2. 専用電動ポンプ + フットパーキングブレーキ  1994年 - 1998年
3. 専用電動ポンプ + 黄色いノブ(ボタン)  1999年 - 現在

故障原因:
問題なのは油圧スイッチの原因です。 このスイッチの正式名称はPMS(ポンプ モーター スイッチ 又は プレッシャー メンテナンス スイッチ)ですが、緑色(茶色もあるが稀)ですのでRGS(Rotten Green Switch=厄介な緑のスイッチ)と呼ばれていて、1994年製-1998年製に使われている物に問題が発生する様です。

RGSは油圧を一定の範囲(85Kg/cm2 – 110Kg/cm2 高圧)に保つ為のスイッチで、壊れると圧力が高くなり過ぎてオイルがスイッチから漏れ始め、結果的にオイルが無くなって油圧が上らなくなりパーキングブレーキが作動し放しになります。

問題解決:
パーキングブレーキの故障は他にも可能性はありますが、パーキングブレーキが解除出来ない場合はRGSを疑って間違い無いと思われます。

若しRGSからオイルが漏れていたり滲み出している場合はRGSを交換する必要がありますし、未だ故障を経験した事が無い場合もスペアーを用意して於くと安心でしょう(GM部品番号15961566  $49?)。

RGSの故障で走行中急停車をする事もあれば徐々に停車する事も或るようで、オートパークを装備している車を運転中にこの様な問題に遭遇した場合は直ちに停車させる覚悟が必要の様です。

更に、パーキングブレーキが解除出来なくなった状態でオートパークを切り離す方法もありますが、長くなりましたのでこの位にして於きます。


参考1:
上の参照サイトには非常に有益な情報が沢山含まれていますが、コピーライトの関係で訳す訳には行きません。 ご質問があれば説明致しますのでコメント欄をご利用下さい。

参考2:
駐車ブレーキの事をパーキングブレーキ(Parking Brake)と呼びますが、イマージェンシーブレーキ(Emargency Brake)と呼ぶ人も沢山います。 駐車ブレーキに対して走行中に使う一般ブレーキはサービスブレーキ(Service Brake)又は単にフットブレーキ(Foot Brake)と呼びます(パーキングブレーキがフットブレーキの場合もあるので注意)。

車修理は運動の積もりで!

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この所、車の下に潜る事が頻繁な為体の痛みを感じませんが、以前稀に車の下に潜ってグリース交換でもすると普段使わない筋肉を使う為翌日は首や肩が痛くて困ったものです。

車の修理はよい運動です。 手や指の運動にもなりますし頭の運動にもなります ― 考えながら行動をしないと手を切ったり挟んだりします。 (参考:女性が男性より長生きをするのは台所で包丁を使うからだと聞いた事があります)

先日、医者に行った際に医者にどんな運動をしているか訊ねられて、ウッカリ“自動車修理とゴルフ”と答えて仕舞いました。 医者はどう受けとめたかは分かりませんが、納得した様子でその後何も聞きませんでした(私は良い運動だと思っているのですが?)。

以前は、車の下に潜った状態で道具や部品が必要に成ると、“又、取りに出なくては成らない”と愚痴を吐いたり億劫に感じる事はシバシバありましたが、最近ははい出すのは良い運動だと考えて、“又運動の機会が出来た”と喜んで(?)行う様にしています。 要領も良くなって予め必要な物は全て持ち込む様にも成りました。

しばらくグリース交換をしていませんので次の旅行までには行いたいと思います。 
新車から5万Km程度だけ走行する積もりでしたらグリース交換など必要無いかも知れませんが、それ以上乗り続ける積もりでしたら大切です。 第一良い運動になります。

グリースガンは2,500円程度?、高級合成グリースが1,000円程度?、3,500円で5回位グリース交換が出来るのでは? (日本ではもう少し高いですか?) 2回行えば元が取れるのではありませんか?  噴出した余分なグリースは必ず拭き取って於きましょう。

車の下にもぐる際は安全に充分に気を付けて、ジャッキに頼らずにスタンド(写真)や木片を使い、安定している事を確認してから作業をしましょう。