幾ら乗り心地が良く、キャデラックの様に柔らかな乗り心地でも、操縦安定性(直進性)が悪いと運転を楽しむ訳には行きません。 運転を楽しむには乗り心地よりもむしろ操縦安定性の方が大切です。
私の現在のRVは購入当時操縦安定性が非常に悪く、最初に500Km程の場所に出掛けた時は神経をすり減らして、“将来長距離旅行に出掛ける事が出来るか?”自信がありませんでした。
道路端の僅かな段差にハンドルを取られ、後方より追い越して来る大型トラックや時には小型バンにも左右に大きく揺らされる為予め準備をして追い越し車の前面が並んだ頃に風圧で右に押される瞬間にハンドルを左に45度程度回し、直後に追い越し車にぶつけない様に右に回さなくては成りませんでした。 横風や向かい風にも敏感で、車線内を走るには神経を使いました。
直進性が無い為に常に左右にハンドルで修正しなくてはならず、当然RVは左右にロールして肉体的にも疲れました。
その後色々な実験も試みました。 例えばアライメントは数十回変更し、又旅行中にも調整をして最終的には仕様と異なる最も良い状態に落ち着きました。 即ち仕様ではキャスターは左が4度、右が4,5度ですが、それぞれ6.5度と7度を使用しています。 トーインは仕様通りで極僅かにトーインですが、トーイン調整中に注意をしなくては成らない事はタイヤをジャッキで上げた状態とタイヤが接地していて荷重を受けている状態ではトーインの数値が異なる事です。
ステアリングリターン装置も試してみました。 長年、2製品(2社)が有名で取り付ける事に依って改善を唱える人も沢山いますが、10回以上の取り付け取り外しを繰り返した結果、結局取り付けない方が良い事が分かりました。 此れらの装置の大きな宣伝文句は直進性を良くする事とパンクをした時にハンドルを取られる事無く直進を続ける事です。 実際にハンドルを中央に戻す力が増しますが、反対に低速での右左折ではハンドルを回す為により多くの力が必要で利益より不利益(不快感)の方が強く感じられました。 又、パンクをした場合に確かに直進を続けるかも知れませんが、若し、山道でのカーブでパンクをした場合にハンドルを切るのが困難となるとより危険な状態を作る事になりますので、総合的に考えて利益はほとんど無いと判断し、取り付けを断念して処分しました(最初に書きました様に此れらの装置で恩恵を受けているとの書き込みも多数見ますので、一概に私の意見が他のRVにも適応するとは限りません)。
既に書きました様に、重心を前方に移した事が操縦安定性を大きく改善しました。
購入当初はハンドルの遊びも以外に多く、可能な限りステアリング機構の遊びを減らしましたが、直進性が増しますと少々の遊びはそれほど問題では無い事が分かりました。 勿論、限度がありますが。
私は重量オーバーの問題はありませんが、重量オーバーやスプリングのヘタリも操縦安定性に影響します。 後部が下って仕舞っている場合は補助スプリング等で高くすると改善されると思われます。
フォードのリーフスプリング車の中にはスプリングの横移動の為に操縦安定性が悪く、時には共振を起す場合もあり、トラックバー取り付けで解決している人が多数居ます。 トラックバー(写真左)と呼ばれる棒状の部品があり、両端をリーフスプリングとシャシーに固定してリーフスプリンが横移動をする事を防ぎます。
http://www.campingworld.com/shopping/item/davis-trutrac-bar-steering-stabilizer-ford-f53-1990-1998/31272
車体が左右に傾きますと傾いている方向にハンドルを取られます。 私のシャシーは左右の高さを調整出来ますが、僅かの違いで直進性に影響が出る事が分かっています。
ステービライザー、又はエンタイスウェイバー(写真右)と呼ばれる車体が左右に傾く事を減らす鉄棒状の部品は通常前輪に付いていますが、RVの後輪用があります。 走行中の左右の傾きを減らしますと操縦性は当然改善される筈です。
http://www.campingworld.com/shopping/item/roadmaster-suspension-solutions-anti-sway-bars/31652d
http://www.roadmasterinc.com/products/rss/sway_bar.html
既にメンバーの方がコメントして居ますが、タイヤのデザインは操縦性に大きく影響します。 同時にタイヤとRVには相性がある様で、ハンドルを取られる問題や振動の問題で異なるRVerが異なるメーカーのタイヤを避けています。 ミシュラン製は高価である事とバーストが頻繁に報告(RV用特定サイズ)されている為他のメーカーを選ぶ人も少なくありません。 しかし、乗り心地がよい事では定評があります。 尚、スミトモタイヤとトーヨータイヤは価格と品質の面で良い評判が多く、反対(避ける)意見は稀(読んだ事がありません)です。 又、安価なハンコックタイヤ(韓国製)を好む人も少なくありません。しかし、カナダ以外の“C”で始まる国で製造されたタイヤは皆避けています。