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トラベル トレーラーの牽引に関して - その2  牽引車の能力

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前回、牽引をする際は、1. 牽引車(TV=Tow Vehicle)の能力、2. 重量に関する問題(許容重量、重量配分)、3. 安全性(操縦性や制動距離)、4. 法律面、 これ等を考慮する必要があると書きました様に順を追って説明します。

1. 牽引する車(TV)の能力
牽引する車の能力は、a) 車のサイズ(サスペンション)、b) エンジンの馬力、c) トランスミッション、d) ギヤー比(Rear End Ratio)、等で異なると共にメーカー/モデル、快適性/経済性、財布の状況等の現実を考慮して決めなくては成りませんので難しい選択です。 牽引だけを考えて全て余裕のある選択が出来れば簡単ですが、経済性、その他を考慮すると複雑です。  一般的に馬力が増せば燃費が悪くなりますが、余り小さ過ぎても返って燃費が悪くなります。

a) 車(トラック)のサイズ
今回はダッジ1500(1/2トン)を例に取って説明します。 

ピックアップトラックは、ダッジは勿論、フォード、シボレー、GMC等、全てのメーカーで、1/2トン、3/4トン、1トン、・・・と重量に応じた種類があり、1/2トンは最も軽量級です。参考:http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=123

1/2トンはどちらかと言いますと、一般家庭向けで乗り心地を重視して製造されており、伝統的にサスペンションはコイルスプリング(年式に依ってはリーフスプリングもある)が使用されていて重量物の運搬や牽引には不向きです。 従って、トラベルトレーラーを牽引する目的で1/2トンを購入する際はトウイング(牽引)パッケージの選択が不可欠です。

次のサイトに2013年型のダッジ1500(1/2トン=最も軽量のピックアップトラック)の牽引を考慮した、キャブ(乗車定員)、エンジンサイズ、トランスミッション、ギヤー比、重量、許容重量、最大トレーラー重量等が表示されています。
http://www.ramtrucks.com/assets/towing_guide/pdf/2013-RAM.1500.Towing.Specs.pdf

参考: このサイトに関して少々説明を加えて於きます:
• スタンダード・キャブ
レギュラー・キャブとも呼ばれ、2ドアーのキャブで、之に対して2ドアーでも座席の後部に物が置けたり、小さな席(ジャンプシート)が取り付けれるスペースがあるエクステンデッド・キャブや、更に4ドアーのクルー・キャブやクオッド・キャブ等があります。
クルー・キャブとクオッド・キャブはどちらも4ドアーですが、クオッド・キャブの後部座席は幾分狭くて短い荷台が装備されています。 
一般的に(ダッジ、フォード、GM、その他)、2-3種類の標準シャシーに長短の荷台と異なるキャブの組み合わせで組み立てられています。 詳しくは次のサイトを参考に為さって下さい。
http://www.ramtrucks.com/assets/pdf/specsheet/ram_1500_dimensions.pdf

• 6’4” Box は荷台の長さを示し、通常、ロングベッド、ショートベッド又は8フットベッド/6フット・ベッド等と呼ばれ、標準サイズのベニヤ板等に合わせて荷台も標準化されて居ました(現在はどうなのでしょう?)。
• 4x2 は2輪駆動を示し、4輪駆動は4x4と呼ばれ、それぞれ4車輪の内2車輪が、又は4車輪が駆動を意味します。
• HFE はトリム(Trim)名で、High Fuel Efficiency 即ち高燃費を意味します。 
トリム名とは仕様名で、エコノミー仕様から高級仕様まで様々で、同じモデルでも単に内装、外装、クローム、グリル、バッジ、等が異なる場合もありますが、目的に応じた仕様であったり、高級トリムの場合は、より高級装備や重装備が含まれて居たりします。
トリム名には種々あり、年式に依っても異なったり、現れたり消滅したりもします。 しかし、高級装備を示す伝統的でよく知られているトリム名もあります。 ダッジのトリム名の例を示しますと、 Laramie、Laramie Longhorn、Longhorn Limited、Tradesman, Express, SLT, Big Horn, Lone Star, Sport, R/T, Laramie, その他があり、フォードやシボレーもそれぞれ多数のトリム名があります。 
ところが、トリム名とは別に装備パッケージ名も有ります。  例えば牽引パッケージを例に取りますと、牽引パケージにはより大きなラジエーター、バッテリー、オイルパン、オールタネーター等の他に、予備のエンジンクーラー、トランスミッションクーラー、牽引用の配線等が加えられて居たり、サスペンションやタイヤが重装備になって居たりします。
高級トリムにはこの牽引パッケージが既に含まれている場合があります。
• A6, A8 はオートマチックトランスミッションの6速変速と8速変速を意味します。
• HEMI はエンジンのタイプでHemispherical (半球)を意味し、燃焼室が球状でダッジやクライスラーの強力な効率の良いエンジンとして製造販売され、実際に評判が良くてRV牽引用として多く使用されて居る様です。

1/2トントラックは1/2トントラックです。即ち、ドライブシャフト、デファレンシャル、ブレーキ、サスペンション、その他1/2トントラックとしてデザインされ、製造されています。 従って、1/2トントラックに装備されているタイヤが積載重量に耐える事が出来ないからと言ってより大きなタイヤを付けても積載重量や牽引重量が増すとは一概には言えません。 しかし、タイヤやサスペンションを強化する事で操縦性が増す可能性は大いにあります。

サイズに関しては、牽引用としての車のサイズ自体はそれほど問題では無く、牽引可能な重量(CGVR)が大切で、この事に関しては後ほど説明します。

続く。

トラベル トレーラーの牽引に関して - その1 牽引の説明をする前に

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大きなクラスAが小さなトウド(牽引される車)を牽引する場合は、果たして後ろに付いて来ているかが心配になるほど何も感じませんが、反対にトラベルトレーラーや5thホイールを牽引する場合は牽引車(TV=Tow Vehicle)の自重より大きくて長い車を牽引するのですから運転に大きな影響を及ぼし、1. TV(牽引車)の能力、2. 重量に関する問題(許容重量、重量配分)、3. 安全性(操縦性や制動距離)、4. 法律面、 その他自力走行のRVに比べて複雑で、牽引タイプのRVの購入を考えている人や所有している人はこれ等の事に大きな関心があると思われます。

牽引タイプRV一般:
1960年代から70年代に掛けて、ガソリン価格が25セント/ガロン(現在のレート換算で8円/リッター)前後の時代のRVはクラスA(モーターホーム)よりトラベルトレーラー(TT)の方が断然多く、バンで牽引をする人も居ましたが、乗用車やステーションワゴンでの牽引が一般的で、大きなエンジンを搭載したキャデラック、クライスラー、オールズモビル等での牽引がよく見られました。  現在の様なピックアップトラックでの牽引は稀で、理由はクルーキャブ(クオッドキャブ)やエクステンデッドキャブ(キャブプラス)のトラックが無くて乗車人数が限られていたからかも知れません。 ピックアップトラックは無かった訳では無く、スライドインキャンパーと呼ばれるピックアップトラックにキャンパー(居住部分)を載せるタイプが流行して、トラックの後ろの窓を外してブーツと呼ばれるビニール製のトンネルの取り付けが一般的で、少々大変ですが、必要があれば運転席側との行き来も出来ました。 クルーキャブも全く無かった訳ではありませんが、工事現場用の特殊車両として製造され、台数は極く限られていました。 

余談:
トラックの荷台に取り付けた牽引装置で牽引する5thホイールが出始めた1970台の前半に私が考えた事は、ピックアップトラックの乗員数は多くても3人迄の為、子供が2人以上居る家庭には5thホイールは向いて居ないRV(?)と思いましたが、その後、5thホイールには走行中に人間が合法的に乗れる事(カルフォルニア州)を知り、又、5thホイールの販売台数が増すに連れて5thホイール側とトラック側の会話の為のウオーキートーキー(無線)もポピュラーに成りましたが、その後ウオーキートーキーは全く話題に成らなく成りました。  携帯電話の普及もあるかも知れませんが、第一の理由は多くの牽引トラックがクルーキャブ(クオッドキャブ)に成って5thホイール側には人が乗らなくなったからだと思われます。 尚、トラベルトレーラーの場合は違法で、走行中に人間が乗る事は出来ません。

牽引型RV(トラベルトレーラー=TT、5thホイール)の利点:
牽引型のRVの第一の魅力は融通性で、若い、特に小さな子供がいる家族が週末や夏休みに牽引車(TV)でトラベルトレーラー(TT)を牽引してキャンピングを楽しむと同時に、普段はTV(牽引車)を通勤や買い物に使う事が出来る事です。  ピックアップトラックやSUVはTVとして人気があります。

又、トラベルトレーラーにはエンジンが付いて居ませんので、自走タイプに比べて価格は低く(ピンからキリまで)、気軽にRVに足を踏み込む事が出来、乗り換え(買い替え)もクラスAやクラスCと異なり、簡単に出来ます。
更に、TTは軽量に出来ていて、同じ居住サイズの自走タイプ(クラスAやクラスC)に比べて、燃費が優れて居ます。 

と言う訳で、経済性、燃費効率は重要な要素で、車やエンジンは必然的に必要最小限の物に興味が集まり、TVの牽引能力も大きな関心事になります。

次回はダッジ1500(ハーフトン)トラックを例に取りながら更にRVの牽引に関して 一般的と思われる(?)説明を試みます。

続く。

オートマチックトランスミッションのトウ/ホール(Tow/Haul=牽引)モード

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最近の、牽引をする可能性のある車、即ちピックアップトラックや大型SUV等にはトウ/ホールモードを備えたトランスミッションが標準装備になって居る様です。 私は、5thホイールを買いたいと思った事がありましたが結局一時の夢となって仕舞い、此れまで5thホイールは勿論、トラベルトレーラーも牽引した事が無く、トウ/ホールモードに関しては全く知りませんので調べてみました。

トウ/ホールモードの概略:
最近のダッジ、フォード、シボレー等、多くの(オプション)ピックアップトラックがトウ/ホールモードと言う名称を使った機能を持っていて、その機能はメーカー、年式に依って大きく異なる様です。

最初は燃費を良くする為のオーバードライブを“オン”にするスイッチとして始まり、その後オーバードライブが一般化した後は牽引時や急な上り坂でオーバードライブを“オフ”にするスイッチと変った印象を受けます。 更に、2000年前にトランスミッションの電子制御が始まってトルクコンバーターのロック機能が出来てからは、オーバードライブの機能とロック機能を考慮したトウ/ホールスイッチに変身、上り坂では高いトルクを得る為により高い回転数を維持、下り坂ではシフトダウンしてエンジンブレーキで減速が可能に成りました。

既に書きました様に、トウ/ホール機能はメーカーに依って異なり、“オン”の状態ではオーバードライブに入らなくする物もあれば、燃費を考慮して必要時はトップギヤーにも入る物もあり、又、異なるギヤー比に成ったり、色々です。 同じメーカーのトラスミッションでも異なる物があり、トウ/ホールスイッチを1度押すと4速止まりで5速(OD)には入らず第2速のギヤー比も変更、2度目を押すと3速止まりで4速(OD)5速(OD)には入らなく成り、3度目を押すと元の一般走行(経済走行)に戻る様な手の込んだ物もありあります。

トウ/ホールモードの利点欠点:
トウ/ホールモードは急な上り坂を走行する際はシフトアップが遅目になってエンジン回転数を高く維持しトランスミッションが変速を繰り返す(例えば3速/4速で迷う)事も無くなります。 又、下り坂では自動的にシフトダウンがされエンジンブレーキが効力を発揮し、多くの牽引RVerが好んでいるのがトウ/ホールモードのこのエンジンブレーキ機能です。 ダッヂの最近のカミンズデイーゼル搭載車は排気ブレーキが連動します(デイーゼルは排気ブレーキ無しではエンジンブレーキが効かないので当然ですが)。

欠点は燃費が落ちる事です。 (上り坂で)エンジン回転数を上げて走行すれば燃費は多少落ちますし、下り坂でエンジンブレーキを使用すれば燃費が下がります。

参考:
燃費を良くする方法はブレーキを使わない事です(半分冗談)。 
もう一つの方法は出来るだけトップギヤーで走行する事です。 しかし、上り坂ではシフトダウンをしなければオーバーヒートの原因になりますし、エンジンに悪影響ともなります。

トウ/ホールモード使用方法:
当然、利点もあれば欠点もあり、重量、速度、風速、天候、燃費、運転技術、その他個人の好みもあり、一概には言えませんが、トウ/ホールモードを、必要な時に使用するのが経済的で現実的だと思います。 しかし、RVer、特に5thホイールを牽引する人の多くが常にトウ/ホールモードを使用すると書いています。 車に依ってエンジンを掛ける度にトウ/ホールモードがオンに成るモデルが在ればオフになるモデルもある様で、或るRVerはエンジンを瞬時止めると再度トウ/ホールモードスイッチを押す必要性を苦情として書き込んでいます。 

何れにしても、長い急な上り坂/下り坂での使用は不可欠で、ダッシュボードのトウ/ホールモードのランプの確認も必要です。

トウ/ホールモードの機能、スイッチ使用方法等に関してマニュアルを見て於くのも利益になるかも?

次回は“最大牽引能力に関して”の予定です。

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大人の玩具は危険!

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もう相当昔になりますが、全く買う積もりの無いRVを見にRVショーに行きました。 長距離の旅行から帰って来た直後で、持っていたRVは未だ十分に乗れる状態でしたが、家内が新しいRVに惚れ込み、セールスマンは売ろうと必死で、私自身も自分の意思には勝てず、紙にサインをして仕舞いました。

今回紹介するビデオは大人の玩具ではありますが、安全だと思います。  見て楽しんで下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=FvWbaESpHm8

http://aeromobil.com/video

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N621 Norcold 冷蔵庫 炎が消える

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Norcold 製冷蔵庫(モデルN62X, N64X, N82X, N84X)が、点火してバーナーが燃焼を始めても数秒中に消えて仕舞う問題に関して書きます。

調べてみましたが、同じ問題を経験しているRVerは意外と多く、結論から言いますとイグナイターに関する問題か基盤に関する問題にほぼ間違い無さそうです。

バーナーが燃え続ける仕組み:
1. 発火
冷蔵庫やウオーターヒーターのバーナーは色々な方法で、即ちマニュアルの場合はマッチやライターで点火し、自動の場合は発火装置(イグナイター)で火花を飛ばしたり、ニクロム線で熱したりします。
2. 点火
バーナーから噴き出すガスに点火し、燃焼を開始しますが、燃焼が確認出来ない場合は数秒後にガスバルブが閉じて燃焼は止まり炎は消えます。  此れは燃焼をしていないにも拘らずガスが出続ける事を防ぐ安全機能です。
3. 燃焼の確認
一般的に炎の上に設置されたサーモカップル(温度センサー)が熱せられて基盤が燃焼を確認しますが、N621(その他のモデル)の場合はイグナイターがサーモカップルと同様の役割を果たしています。 即ち、点火時に高電圧で発火すると同時に点火後は熱で発生する微量の電流を基盤に送ります。

問題解決法 - 燃焼が止まる:
当然、イグナイターの故障やサーキットボードの故障が考えられますが、その他の解決法が多く報告されて居ます。

• イグナイターの感度
暫く冷蔵庫を使って居ない場合に、点火を繰り返すとイグナイターに電流が流れ始めて燃焼を続ける報告があります。 中には20回程度繰り返して機能し始め、その後正常に機能している報告もあります。

• イグナイターの位置
イグナイターの位置は点火にも重要ですが、熱を感知する為に規定の位置に調整する必要があります(バーナーの上 3-5mm)。

• イグナイターの接触不良
発火は高圧の為少々接触が悪くても機能しますが、微量の電流は接触状態が大きく影響します。 イグナイターを取り外して、再度取り付けただけで直った人が多く居ます。

• イグナイターの表面
微量の電流の為にイグナイターの熱伝導も大切で、ワイヤーブラシや細かい(400番以上)サンドペーパー等で表面を磨いて解決した例もあります。

多くの人が上の何れかの方法で解決していますが、以上の方法で解決すればお金が全く掛かりません。    

イグナイター:
発火は高電圧の為に少々の接触不良は問題としませんが、熱感知機能は微電流の為に機能して居ない可能性も考えられます。  しかし、イグナイターの交換は少ない様です。

基盤:
基盤の交換で解決した人も居ますが、基盤を交換する際は基盤の後ろの面にプリントがされている部品番号を元にダイナソアー(DINOSAUR)製の基盤の購入をお勧めします。 部品表やカタログの部品番号は実際と異なる場合が有る様です。 RV界ではダイナソアーの基板は良く知られていて定評がありますhttp://www.dinosaurelectronics.com/Nor_boards.htm

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とも Eメール (02/21 16:34) 編集・削除

こんにちわ。表記冷蔵庫で質問しました者です。
この度は親切な説明ありがとうございます。
イグナイターのブラシ清掃&接点磨き、数回点火の繰り返しで炎が消えず、冷蔵、冷凍可能となりました。
冷蔵、冷凍庫内に温度計を設置、1時間度には冷蔵4℃、冷凍-6度。おそらく使用できそうです。
しかし、TENPSETボタンでの温度調整が効きません。ボタンを押しても反応なしです。
ここまでくると、コントローラー部分か基盤故障の可能がありますか?
とりあえず、動くようになったので喜んではおります。
よろしくお願いします。

RVKen (02/22 03:10) 編集・削除

ともさん、 返信をありがとうございました。 

温度調整に関しては後ほど書きますが、N621 には故障コードが表示される機能が付いています。コードは表示されて居ますか?

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RV用プロパンガスに関して(アメリカに於ける)

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日本とアメリカでは法律や状況が異なるとは思われますが、プロパンガスは危険を伴いますので常に安全を考えた対処をする必要があります。

RV用プロパンガスに関しては良く知られて居る事も在れば余り知られて居ない事もありますので書いてみますが、日本に於いては果たしてどの程度参考と成るかは疑問です。

タンクには2種類:
プロパンガスのタンクには2種類有り、一つはDOT(Department of Transportation)タンクと呼ばれる物で運輸省規格のタンク、もう一つはASME(American Society of Mechanical Engineers)タンクでASME規格です。  RVには両タイプ(DOT/ASME)のタンクが使用されて居ますが、両者には大きな違いがあります。

• DOT規格タンク
ホームセンターで販売されているバーベキューグリル用や、RVトレーラーやフィフスホイール等に搭載されているよく見る縦型がDOT規格のタンクで、それぞれ認可された日付が刻印されています。 12年以上経つと検査を受けて再認可を受ける必要があり、それ以後は5年毎です。  

• ASME規格タンク
横型で、主にクラスAやクラスCに固定されています。 固定されている事でRVの一部としてASME規格のタンクが使用されているらしく、DOT規格の様な再認可を受ける必要はありません。 しかし、安全の為に目視検査をし、傷や錆の状況を調べて使用に問題が起こらない事を確認、又は処置をする必要があります。  

80%ルール:
良く知られている(話題になる)事は80%ルール、即ちプロパンガスを充填する際はタンクの容量の80%以下でなくては成らず、このルールはRVに搭載されているタンクにも適応します。 RVの殆どのタンクには80%になると自動的に止まる装置が取り付けられていますが、RV以外での使用目的でDOT規格のタンクに充填する場合は、容量では無く、重量を計量する事で80%に抑える場合もあります。

参考: 
私のタンクのゲージには1/4、1/2、3/4、Fullの印がありますが、充填直後の最大は大よそ3/4を示しています。  使用頻度にも依りますが、通常料理用レンジやウオーターヒーター、冷蔵庫等だけに限定しますと2-3年程度使えます。  以前(昔)は、真夏の暑い地域の走行中にはルーフエアーコン用として発電機を使い、実際には未だ使用が可能だったとは思いますが、料理が出来なかったりウオーターヒーターが使えないと困りますので、その場合は約3日程度で充填して居ました。 車のエアコンで十分冷える事を知り、又経済的でもありますので、最近はプロパンエンジンのジェネレーターは殆ど使っていません。  長距離の急な上り坂を走る時にジェネレーターを使う事がありますが、稀です。

充填時の安全配慮:
これも良く知られて居る事ですが、プロパンガスの充填時はウオーターヒーター、冷蔵庫等、全てのプロパンガス器具の使用を止め、動物(犬)を含めてRV内に留まる事は出来ません。 これは法律で決められて居る事で、プロパンガスを充填する作業員は必ず実行します。  昔(30-40年前)は、この事が徹底されて居らず、嫌がらせかとも思った事がありますが、今は当然の事となって居ます。  事故が起きれば当然問題になりますが、起こらなくても違法行為の事実が分かれば会社や州からの処分もあると思われ、作業員は必ず確認します。

ガスの種類:
ガスにはプロパンガス(C3H3)の他にナチュラルガス(CH4)、ブタンガス(C4H10)等があり、それぞれの密度が異なります。 ナチュラルガス(0.668Kg/m3)は空気(1.205Kg/m3)より軽く、プロパンガス(1.882Kg/m3)は空気より重く、熱量も異なります。 

例えばナチュラルガスが適正な燃焼をする為には空気とガスの比が25:1に対してプロパンの適正燃焼の比は10:1です。 従って、それぞれ異なるバーナーやレギュレーターが必要となります。 エンジン式ジェネレーターを購入する際は、プロパン用かナチュラルガス用の設定かを、バーベキューグリルを購入する際もプロパン用かナチュラルガス用の設定かを確認する事は非常に大切で、間違ったレギュレーターやバーナーですと正常に機能しません。

注意:
ナチュラルガスは空気より軽い為に発散しますが、プロパンガスは重い為に低い所に溜まる傾向があり、爆発の危険が依り大きくなります。

アリゾナ州 クオーツサイト  その6 走行中のRV

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国道には様々なRVが走っていますが、牽引をしていないRVは稀です。 カルフォルニア州は違法ですが、州に依っては3重牽引が出来る所もあります。

アリゾナ州 クオーツサイト  その5 クオッドバイクが大活躍

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モーターバイクやクオッドバイクは通常遊びの為に使われますが、クオーツサイトでは実用的に使われていて、水汲みに、買い物に、自然を見に等、アチコチで見掛けます。

種類も様々で、ホンダ、ヤマハ、カワサキも在りますが、知らない名前の方が多く、中には自作と思われる様な物も走っています。