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“オートパーク”の故障  その3.  “RGS”、並びにタイプ2/タイプ3の構造

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今回も“Oldusedbear”の説明を主な情報源として書きます。
http://www.wolfswords.com/motorhome/auto_parking_brake/PUMP%20MOTOR%20SWITCH..RGS...replacement.pdf

“RGS”の意味:
“RGS=Rotten Green Switch” (写真上左)とは“厄介な緑色をしたスイッチ”と言う事で、“オートパーク”の多くの故障はこの“RGS”が起因しています。

タイプ2/タイプ3の構造(写真上右):
先ずは、“RGS”が故障原因となる理由を理解する為に、“オートパーク”のタイプ2、タイプ3に構造を簡単に説明します。
タイプ2とタイプ3には基本的に“オートパーク”専用のポンプ、アクチュエーター(シリンダー)、リザボー(オイルタンク)、そして“RGS”が存在していて、此の“RGS”が油圧を一定の範囲に維持します。 

普段、トランスミッションのシフトレバーが“P”(駐車)の状態ではアクチュエーター内の油圧は低くてスプリングの強い力がケーブルを引っ張ってパーキングブレーキが作動した状態ですが、シフトレバーを“P”以外に移動しますと、ポンプが作動してアクチュエーター内の油圧がスプリングを圧縮してパーキングブレーキが解除の状態になります(写真中左)。  この際、油圧が1200 psi以下の場合はポンプが作動し、1600 psiに達しますと電源が切れてポンプは停止します。

“RGS”の構造:
“RGS”の内部には意外と多数のデイスク状の部品が入って居り、次のサイトに写真と共に理解し易く説明されています。
http://www.oemys-performance.com/j71autopark.htm#apversion

“RGS”の故障の過程:
“RGS”に掛かる圧力は1600 psi、家庭の水道の蛇口付近の約20倍の高圧の為、スイッチ内部でオイル漏れが発生しますと電気的な誤作動が始まり、その後オイルは徐々に外部に漏れ出し、更に状態が悪化しますとタンク内のオイルは無くなり、アクチュエーター内に十分な油圧が伝わらなくなればパーキングブレーキは解除出来ない状態になります。  走行中にパーキングブレーキが引きずりを起こす場合も在れば、パーキングブレーキが急に作動してしまう場合もあり、この様な状態ではダッシュボードの警告灯が点灯したり、点滅をする状態の筈です。

“RGS”の付近にオイル漏れ(写真中右)が確認されれば早目に“RGS”の交換をする必要があります。

“RGS”交換部品:
GM製のオリジナル部品は現在も販売されており、ACDelcoの部品番号は15961566で、アメリカに於いては$40-$60で販売されている様です(正価は$100前後?)。

“RGS”交換の際の注意:
“RGS”が取り付けられているアルミ製のアダプター(写真下左)は柔らかい材質の為簡単にねじ山が壊れる為、“RGS”をねじ込む際は2本のレンチを使用し、1本のレンチでアダプターが回らない様に押さ、更に“RGS”が必要以上に強くねじ込まない様に注意する必要があります。

ロジャー(“Oldusedbear”)はアルミ材の代わりにスチール材を使ってこのアダプターを製造していましたが、1個のアダプターを製造に2時間掛かる為、製造を中止したそうです。 

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