前回の書き込みで、“バッテリーの使用量(DoD=Depth of Discharge=デプス オブ デイスチャージ)は電圧と密接に関係があって、その関係を示すグラフ又はチャートを参考にすればバッテリーモニターは必要が無い”と書きました。 又、その関係が曖昧なので調べるとも書きました。
調べた結果、バッテリーの使用量と電圧の関係には、此れはと思われる一定の法則は見つかりませんでした(チャート 左上)。 正確な関係を知ってもバッテリーの使用を正確に管理出来る訳ではありませんし、大切なのはバッテリー使用量、即ち電圧の数値がバッテリーの寿命に大きな影響を与え、電圧に応じてバッテリーの使用量を管理する気持ちが大切です。
エンジンバッテリーとデイープサイクルバッテリーの寿命:
日本ではエンジンバッテリーをサブバッテリーに使用している人が多い様な気がして、過去にも何度かエンジンバッテリーを避け、デイープサイクルバッテリーを購入する事を書きましたが、今回この事を示すグラフを見付けました(グラフ 右上)。
このグラフはサブバッテリーに使用した場合の、自動車に使われるエンジンスタート用のバッテリーとデイープサイクルバッテリーをの寿命の比較をしたもので、縦軸が一回の電気消費量(%)、横軸が寿命(使用回数)です。
左下のグラフ(赤)は自動車バッテリーを示していますが、縦軸の60%以上の消費を続けますと100回余りの使用で寿命に達する事を示し、10%程度の使用(エンジンのスタートに使用の場合)であれば2000回(20倍の寿命)の使用が可能であるのに対して、デイープサイクルバッテリー(青)の場合は同じ60%の使用を繰り返しても1000回以上の使用に耐える事を示しています(注: 1回は100%充電から使用後に100%充電に戻す、又はそれに近い状況を意味し、サイクルと言う言葉も使われます)。
電気量 VS 電圧:
電気量とはバッテリー内に蓄えられている使用可能な電気量(残量)で、一般的にState of Charge (SoC)と言う言葉が使われます。 この反対の言葉はState of Discharge (SoD)で、此れは使用した電気量を示し、“90% SoC”は僅かに使用した状態、即ち“10% SoD”又は10%の電気消費を意味します。
電圧はバッテリーの電気の力量であると共に電気量で、電気を使用すると共に力量が下がり、電圧も下がります。 10V以下に下がったバッテリーに負荷を掛けますと電圧はゼロに近い状態に下って力量もありません。
此処で大切な事は、100%の状態が12.7V前後で、12.2V前後が50%、12.0V以下はやや危険、11.0V以下はバッテリーに取って非常に危険な状態である事を知って於く事だと思います。
電気量 VS 電圧 グラフ:
アレコレ調べた結果、中には数値がバラツイテ居る物もあり、参考に出来そうな、分かり易い数値が並んでいるチャートを元にグラフを作ってみました(グラフ 左下)。
バッテリーの寿命に関して:
私は、バッテリーの電圧を極端に、即ち11V以下に下げる様な使い方をしていますとバッテリーは短期間でショートを起こしたり、開放状態に陥って電気を蓄える事が出来なくなり、此れが寿命と思っていました。 ところが、今回調べていて、“蓄電容量が新品状態の半分になった時点が寿命”との定義をしている会社がありました。 確かに、バッテリーの電圧を極端に下げない様に注意して使えば急に壊れる事は少ないと思われます。 私は、サブバッテリーを7-8年使用して昨年夏に交換しましたが、既に寿命になって居た可能性もあります。
バッテリー寿命グラフ:
面白いグラフがありましたので紹介します(写真 右下)。 同じ様なグラフがアチコチに出て居ましたので、私が気が付くのが遅かったのかも知れません。
縦軸はバッテリーの蓄電容量、横軸はサイクル回数(寿命)です。 DoD(Depth of Discharge)即ちバッテリーの消費加減に応じて3本のグラフ線が示されて居ますが、一番左の100%DoDの消費を毎回続けますと200回前後の使用で寿命に達し、一番右の線の様に30%程度に抑えて使用を繰り返しますと1200回前後の使用に耐える事を示しています(サイクルバッテリーの場合)。
尚、30%DoD(消費)は70%DoC(残量)ですので、下左のグラフで確認しますと70%残量は12.56Vと言う事になります。
バッテリー使用のスイートスポット、即ち効果的なDoCは75%と言う人も居ますが、50%(12.2V)を目安にしていれば良いと私は考えています。
保管中の電圧:
RVを暫く使用しない場合、例えば冬の間にバッテリーを100%に近いで状態に充電されて置く事も大切です。 20%-30%に下がった状態で長期間放置はバッテリーの寿命に大きく影響します。 シガレットライターに差し込んでダッシュボードに置くタイプのソーラーチャージャーが3000円以下で販売されて居ると思いますが、私の友人は此れを使って9月から放置したトラックが翌年6月に一発でエンジンが掛かったと喜んでいました(当然ですが、屋外駐車で電源が無い場合)。
参考: 長期間使用しない場合は、特にガソリン車の場合は、燃料を満タンにして於く事も大切です。