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アイドリング禁止に関して

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前回、“アイドリングはデイーゼルエンジンの寿命を短くする”に関して書きましたが、ブログを書く為に調べていて、アイドリングを禁止する理由が徐々に変わって来た事に気が付きました。

30年程度前はガソリンが1リットル15円程度、それ以前の1ドル360円の時代は当時の換算で1リットル2円程度でした。 従って、燃料は非常に安くてアイドリングでお金が掛かると言う意識は全く無く、大型トラックは一日中エンジンを掛けっ放しが当たり前でした。 ガソリンスタンドで給油中でもエンジンは掛けっ放しでした。 実はガソリンの場合は給油中はエンジン停止が義務付けられていますが、デイーゼルエンジンの場合は揮発性が低くて危険が少ない為、エンジンを掛けっ放しは当たり前でした。

参考:
オレゴン州とニュージャージー州の2州では個人(客)がガソリンを給油する事が禁止されています。即ち、給油は危険と言う事でサービスアテンダントに任せなくてはなりません。 しかし、デイーゼルエンジンには該当しません。 トウド(牽引車)にウッカリ自分で給油を始めた事がありましたが、監視が厳しいとの事で酷く怒られました。 現在もRVには毎回自分で給油しています。

15年程度前にRVフォーラムに於いてデイーゼルエンジンのキャビテーションが問題になりました。 即ち、デイーゼルエンジンは振動の為にシリンダー壁が腐食をする為に、エンジンメーカーは特殊冷却水の使用や冷却水の添加剤の使用をマニュアル等に書きました。 エンジンの中にはキャビテーションの問題が起こらないエンジン(ISB)もあって、問題を更に複雑にしました。 恐らく、この問題が一段落した後からアイドリングはデイーゼルエンジンのシリンダー壁のオイル皮膜を洗い流して、“デイーゼルエンジンに取ってアイドリングは良くない”と言われ始めたと思います。 

その後も、アイドリングに関してアチコチで目にしましたが、今回調べて理由が変化していた事に気が付きました。 即ち、以前のエンジンへの害からエコやポリューションを意識した理由が加えられて居ました。 

未だ全ての州では無い様ですが、アイドリングを禁止した州や市が増えて来ています。 警告書があるのは今回始めて知りましたが、アイドリング禁止のサインは此れまでにレストエリア等の駐車場でよく見掛けています。

例としてカリフォルニアのアイドリングに関する条例(トラックを含む商用車)を添付します。
http://www.arb.ca.gov/msprog/truck-idling/factsheet.pdf
此れを見るとアイドリング禁止サインが出ている所ではアイドリングをしているトラックが居ない理由がよく分かります。 アイドリング禁止の要点だけを書きますと:
• 10000ポンド以上の商用車(トラック)に該当
• 5分以上は禁止、学校内の駐車場では始動後30秒以内に移動
• 罰金は最低$300、上限は一日につき$1000

厳しいのはアイドリング違反車を見た場合の報告項目です。
• 800-END-SMOG(800-242-4450)に電話、又はhelpline@arb.ca.govにイーメール
• 違反を目撃した日時を報告
• 違反場所 (道路名、又は住所)
• 違反車の前に付いているナンバープレートの番号と州名
• ドアーの横に書かれているDOT、MC、そしてMX番号
• トラックに書かれている会社名
• 要求があれば、匿名とする

アメリカではルールを守らないと罰せられます、当然ではありますが。