此れまで書きました様に、1990年代後半までには殆どのクラスA(特にデイーゼルプッシャー)がワイドボデイーに成りましたが、例外があります。 其れはナショナルRV社のケロビアン(96インチ幅)です。 この車はオーストラリア/ニュージーランドを始め、ワイドボデイーが輸入出来ないヨーロッパの国からも探し求める人が多く、RVフォーラムで時々話題になります。 2001年型だけが極く少数製造販売された思われていますので少々調べてみました。
http://www.pacnats.com/Links/NRV%20Brochures/2001/Caribbean.pdf
1998年12月1日にケンタッキー州で行われたRVショーでスパルタンモータース社は3種類のサミットシャシーを発表しています。
参考: 不思議なのは、私のシャシーもサミットシャシーですが製造日は1年以上前の1997年6月23日です。 この様な事は時々あることで、カミンズ社の説明書等ではISB(24バルブ)エンジンは1998年後期に発売が開始された事になっていますが、私のISBは1997年5月1日に製造されています。
翌1999年3月22日の新聞にスパルタンモータースが前年の12月にRVショーで発表した新型サミットモデルシャーシーがナショナルRV社に販売する契約を交わした事を発表しています。
その後、1999年6月17日の新聞にナショナルRVが2種類の新型RVの製造発表をしています。 それに依りますと、ナショナルRVはスパルタンモータースと提携して、新サミットシャーシーを使用したデイーゼルプッシャーを開発し、ケロビアンとして1999年後半と2000年に販売をすると記されています。 ケロビアンはナショナルRVが1997年に販売開始をしたトレイドウインドモデル(ワイドボデイー)と同じ高級内装/外装を保ちながら、カミンズエンジンとアリソントランスミッションを組み合わせた経済的な新型サミットシャシーを使用する事でコストを下げると記しています。 尚、この時に同時に発表されたアイランダーモデルは高級デイーゼルプッシャー(ワイドボデイー)で、このモデルは当時ナショナルRVが買収したカントリーコーチ社製のシャシーを使用すると発表しています。
この当時、ナショナルRVは急成長をしており、高級デイーゼルクラスAの層とガソリンクラスAに近い層に更に市場を広げるのが狙いでした。
スパルタンモータースの記録に依りますと、ナショナルRVには1999年5月14日にケロビアンに使用されている物とと同仕様のサミットシャシー(VIN #32222)が1台売られていますので、恐らくこのシャシーがケロビアンの開発に使用されたものと思われます。 同じ年の7月9日に20台、8月20日に30台、とその後も30台の単位でナショナルRVに売られ、最後のサミットシャシーはVIN #37378が2000年5月27日に売られています。 スパルタンモータースからナショナルRVにこの間合計約170台のサミットシャシーが販売されていましたがどのモデルに使われたかは記されていません。 果たして170台のケロビアンが製造されたのでしょうか?
ナショナルRVの2001年型クラスAは次のモデルが販売されています。
デイーゼルプッシャー
National RV 2001 Caribbean (260HP ナローボデイー)
National RV 2001 Sea Breeze Bus (260HP ワイドボデイー)
National RV 2001 Islander (330HP ワイドボデイー)
National RV 2001 Marlin (300HP ワイドボデイー)
National RV 2001 Tradewinds (330HPワイドボデイー)
ガソリン車 (クラスA)
National RV 2001 Dolphin
National RV 2001 Sea Breeze Scout
National RV 2001 Sea Breeze MH
National RV 2001 Sea View
National RV 2001 Surf Side
National RV 2001 Tropical
仕様を調べてみますと、ケロビアン(ナローボデイー)の他にシーブリーズバス(ワイドボデイー)だけがケロビアンと同じ仕様のサミットシャシーを使用していました。
上のリストには2001年型のシーブリーズバスがありますが、実際には2001年型の中古シーブリーズは殆ど無く、殆どが2002年型の為、ケロビアンに使用されなかったサミットシャシーが使われてワイドボデイーのシーブリーズが製造された可能性があります。 何れにしても私は100台以上のケロビアンが製造されたと予想しています。