以前、フロントホイールベアリングの調整方法を書いた事がありますが、今回はP32シャシーの正式な調整方法を書きます。
フロントホイールベアリング定期的メインテナンス:
12,000マイル(約2万Km)毎に古いグリースを取り除いてきれいにし、表面の傷、磨耗、ヒビ割れ等を検査し、問題が無い場合は高温グリース(約260度C)をベアリング並びに隙間に十分塗り付けます。 グリースは GM部品番号1051344又は同等以上の品質の物を使用します。
フロントホイールベアリングのチェック:
注: 全ての“P”シリーズにテーパーベアリングが使用されていて、正しく取り付けられている場合は僅かに緩み(遊び)を感じます。 損傷の原因になりますので、プリロード(遊びを無くす為に予め強いトルクで締め付ける)は決して行わないで下さい。
1. ジャッキで下のアームを持ち上げてタイヤを浮かせる
2. ホイールを回転させて異音や滑らかに回転するかを調べる
3. 異音、回転し難くさ(硬い)、遊びが多過ぎの何れかの場合はベアリングの状態を調べる
参考: ベアリングの遊びを調べる場合はタイヤの上部と下部を交互に揺らす。 若し0.001インチ(0.0025mm)以下、又は0.005インチ(0.127mm)以上の場合は調整が必要
フロントホイールベアリングの調整:
1. ホイールカバーを外す
2. ハブ先端のダストキャップを外す
3. スピンドルナットからカッターピンを抜く
4. 前方向にホイールを回転させながらスピンドルナットを12ft-lbで締め、接触面内のグリースを押し出す
5. スピンドルナットを極く少量緩める
6. 指で再度締め付けた後スピンドルの穴とスピンドルナットの溝が最初に合致するまで緩める(1/2ナット平面以下)
7. 新しいカッターピンを差し込んで曲げ、ダストキャップに邪魔に成らないように余分の長さを切る
8. ベアリングの緩さを調べ、タイヤ上部と下部の揺れが0.001インチ(0.0025mm)以上で0.005インチ(0.127mm)以下であればOK
9. ダストキャップを取り付ける
10. ホイールカバーを取り付ける
11. ジャッキを下げる
12. 同じ作業を反対側のベアリングにもする
簡単な作業ですが、グリースは異物を吸着し易く、異物が混入しますとベアリングの破損や緩み(遊び)の原因になります。
http://bdub.net/manuals/P30/P30.pdf
頁3-8 - 頁3-9