メインバッテリー:
此れはトラック、バスを含む全ての自動車に搭載されている一般にバッテリーと呼ばれているバッテリーで、①エンジン始動、②ヘッドライトや走行機器、③走行に関係の無い機器(室内照明/ラジオ/カーナビ/AC等)の電源に使われます。
メインバッテリーは、①エンジン始動時に短時間に大きな電流が流せる必要があります。 ②と③は一般的に走行中に発電機が電気を供給しながら使用する電気ですのでバッテリーにはそれほど負担に成らず、エンジンを始動出来るバッテリーであれば問題はありません。 エンジン始動時にバッテリー電圧が下っても、エンジン始動後はエンジンに装備された発電機が充電しますので、短時間中にバッテリーは満充電の状態に戻ります。 従ってメインバッテリーは、エンジン始動時に必要な電流を供給出来る機能、即ちメインバッテリーはクランキングパワーが必要条件になります。
このクランキングパワーとは定められた低温で30秒間に供給出来る電流=CCA(クランキングアンプ)で示され、冬季に温度が大きく下る地方ではこの値が大きい方がエンジンスタートに有利な事になります。 此れは温度が上がるとオイルは硬くなってエンジンは回転し難くなり、更にバッテリー機能が低下する為です。 オーナーズマニュアルに指摘されていると思いますが、目安としては、2000cc以下の小型車乗用車の場合は400CCA前後、2000cc-4000cc程度の乗用車並びにRVは500-600CCA前後、大きなエンジンを搭載したアメリカ車は700-800CCA前後です。 冬季に寒冷地で使用される4輪駆動車等は例え小さなエンジンでも800CCA前後のバッテリーが標準装備になって居る車もあります。
メインバッテリーとして使われるスターテイング(自動車)バッテリーは満充電に保つと長期間使用可能ですが、電圧を下げる回数や下げる電圧量が増しますと直ぐに寿命が短くなり、でんあたす低下を極端に嫌います。
サブバッテリー:
RVは上の様な状況に加えて、エンジンが停止(発電機が停止)の状態で照明は勿論、飲料水ポンプ、ラジオ/テレビ、冷蔵庫、その他場合に依っては電子レンジ、炊飯器等の使用の為に電気が必要で、(走行中に対して)停車中にこれらを使用しますと当然ながら使用量に応じてバッテリーの電圧は下ります。 これらの使用を目的としたバッテリーがデイープサイクルバッテリーです。
サブバッテリーは瞬発力は必要としませんが、頻繁に電圧を下げる状態に耐える事の出来る、デイープサイクルバッテリーが必要です。 たとえディープサイクルバッテリーでも、電圧を下げる回数に比例して寿命は短くなり、電圧の下げる量には鼠算式に寿命が短くなります。 例えば、満充電で12.8Vのバッテリーを12.2V(50%使用)程度に留めて使用を繰り返せば8年使用可能なバッテリーも、ウッカリ10V以下に数回下げただけで1年以下にしたり、極端な場合はその場で駄目にして仕舞います。
従って、サブバッテリーにはデイープサイクルバッテリーが必要であると共に、電圧を余り下げない様にする為に充分な電気量を保てるサイズ(アンプ時)が必要です。 アンプ時に関しては前回説明しましたので、今回はどの程度のバッテリーサイズ(アンプ時)が必要か、又はバッテリーの必要個数を知る目安を書いて於きます。
電気消費量(W)と1日の予想使用電気量(一例):
器具――――――――消費電力使用時間――――使用電気量
照明用電球―――――40W=3.3A―――4時間―――13.2アンプ時
蛍光灯―――――――20W=1.6A―――2時間―――3.2アンプ時
ウオーターポンプ――32W=2.6A―――1時間―――2.6アンプ時
ステレオラジオ―――30W=2.5A―――2時間―――5アンプ時
10”TV―――――――60W=5.0A―――3時間―――15アンプ時
(ヒーターファン)――48W=4A
(冷蔵庫)――――――300W=25A
(電子レンジ)――――800W=66A
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合計 39アンプ時
即ち、この程度の1日の電気使用料でしたら100アンプ時(50%前後使用)のバッテリー1個搭載で間に合います。 しかし、バッテリーを消費した翌日は走行充電又は何らかの方法で満充電にする必要があります。 又バッテリー容量は使用状況や年月により徐々に低下しますので、100アンプ時の表示があってもそれより少ない可能性もあります。