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操縦安定性 - 前輪への荷重の比率

此れまで操縦性には重心の位置が大切だと書きましたが、具体的に言いますと前輪への荷重の比率です。 即ち、前輪が軽る過ぎますとお尻を振る結果となったり、前輪が充分な接地力が無い為に横方向に移動し易い結果となります。

よく言われる事ですが、DP(デイーゼルプッシャー=後方エンジン付きクラスA)の場合はホイールベースの全長に対する比率は長いほど操縦安定性が良くなり、一般的に少なくとも52%と言われています。 しかし、私は前輪への荷重の比率の方が大切だと考えています。 即ち、ホイールベースの比率が低くても前輪に適切な荷重が掛かっていれば操縦安定性は問題無いと考えます(32フィート以下のDPはホイールベースの長さ比率が50%前後が多く、操縦性に問題がある物も多い - 重心の位置を前にする事で改善出来る)。

後輪がダブルタイヤとシングルタイヤでは異なりますが、私の経験からダブルタイヤの場合で説明します。  
購入当時操縦安定性が極端に悪く、前輪アライメント、タイヤ空気圧、その他色々実験した結果、前方に装備されている燃料タンクを満タンにし、後輪の後ろに装備されている飲料水タンクを空の状態で安定性が良い事に気が付き、前輪の荷重の比率が操縦安定性に大きく影響する事が分かりました。 その当時、フル装備をした状態で前輪への荷重比率は30%以下で、飲料水を満タンにして燃料が少なくなった状態では恐らく28%程度だったと想像します。

その後、タンク類を移動したり追加し、又出来るだけ重い物を前方に積む様にして操縦安定性は全く問題無くなり、前回計量した時は34.7%でした。

興味深い事があります。 それは前輪後輪全6本のタイヤの空気圧が同じ状態での耐加重をタイヤ空気圧表から読み取り、前輪に対する荷重比率を計算しますと33%-35%になります。 即ち、前輪に対する荷重比率33%-35%ですと全てのタイヤ空気圧を同じにする事が出来ます。

参考:
タイヤ空気圧は荷重が大きくなると空気圧を上げる必要があります。 従って後軸への重量が前軸に比べて極端に大きな場合は後輪のタイヤの空気圧を上げて対処する必要があります。

従って、前輪への荷重比が全重量に対して33%-35%は操縦性に対してもタイヤに対しても理想的だと思われます。

DPの中には前輪が重過ぎで知られているモデルがあります。 恐らく操縦性は良いものと思われますが、前輪の磨耗の苦情があります。