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心温まる話

友人から次のメールが届き、“同感であれば他の人にも教えてあげて下さい”との事ですので、そうします。 キャンピングカーとは関係がありませんが、今日はクリスマスイブですし書きます。 2度読むと泣いて仕舞います。
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“お早う”と地面に座っている男に近付きながら、女性が話し掛けた。

女性は明らかに高級志向で、コートは新品、過去に食事が出来なかった事など無い様に見えた。

男は、何時も経験している様に嫌がらせだと思い、小声で“行っちまえ”と言ったが、女性は離れようとはしなかった。

女性は白い歯を見せながら笑顔で“お腹は空いていないの?”と聞いた。

男は嫌味たっぷりに“今社長と食事を終えたばかりだから、心配しないで行っちまえ”と言うと、女性は今まで以上に白い歯を見せ、男は急に親切さを感じたものの、それでも怒った口調で“あんたはここで何をしているの、心配するなと言ったでしょう”と続けた。

丁度其処に警察官が通り掛り、女性に“大丈夫ですか?”と聞くと女性は即座に“大丈夫です、この男性を助けてあげたいのですが、手を貸して呉れませんか?”と頼んだ。

警察官は頭を掻きながら、“彼はジャックと言って、この辺に住み付いているホームレスですよ、どう為さるお積もりですか?”

“あそこのレストランに連れて行って何か食べて貰い、暫く寒さから逃れて貰いたいのです。”と言ってホームレスの男の片腕を掴んだ。

女性に向かって “あんたはどうかしてるよ、俺は行きたくないよ!”と言い、警察官が強引にもう片方の腕を抱え上げると、“何も悪い事をしていないから勘弁してくれ”とホームレスの男は叫んだ。

警察官は“此れは又と無いチャンスだ、この機会を逃すな”と男を説得した。

多少の時間が掛かったものの、遂にレストランの隅のテーブルに男を座らせる事が出来た。 丁度朝食時間が終わり昼食には早く店はガラガラであった。

店主が慌てて現れ、警察官に“どうかしましたか? この男が悪い事でもしましたか?”と尋ねると、警察官は“この女性がこの男に食事をさせて下さると言う事で連れて来ました。”

店主は怒った様子で“連れて来られては困ります、こんな男が来ると営業の妨げになります。”

男は渋い顔をしながら女性に向かって、“言ったでしょ、行かせて下さい、俺は最初から来たくはなかったのだから!”

女性は店主に向かって、“この先にある“エデイーと仲間”と言う会社を知っているでしょ。”

店主: “勿論知っていますよ、私の宴会場を使って毎週会合をしていますから。”
女性: “その会合で儲けているのではありませんか?”
店主: “それがあなたに何の関係があるのですか?”
女性: “ご主人、私はぺネロープ エデイーと申しまして、その会社の社長と会長をしています。”

店主は呆気に採られていたが、女性は笑うのを我慢している警察官に向かって、“この事を言えば店主も考えを変えて呉れると思っていました、あなたも一緒に食事は如何ですか?”と問い掛けた。

“勤務中ですので”と言うと、“コーヒーだけでも如何ですか”と聞き返し、“頂きます”と警察官は答えた。

店主は警察官に“直ぐにコーヒーを持って参ります”と足早に立ち去り、 警察官は店主が去って行くのを見届けて“店主を叱責する事になりましたね”と言った。

女性はホームレスの男の向かい側に座って凝視しながら話し始めた。 “それが目的では無く、他に大きな理由がありました。”

女性: “ジャック、私を覚えていますか?”
男: “覚えている様な気がします。”
女性: “私は少々歳を取り、若い時より太ったかも知れませんけど、あなたが此処で働いていた時に私はあの同じドアーから寒くてお腹を空かせて入って来ました。”

警察官はこの女性がお腹を空かせる様な事があった事を信じられない様子であった。

“私は学校を卒業したばかりで仕事を探しに町に出て来ましたけど、何も見つかりませんでした。遂にお金は底を尽きアパートから放り出され、何日も外で寝泊りしました。 2月でしたので寒くてお腹を空かせ、若しかしたら何か食べれるかも知れないと思って見えたこのレストランに入りました。”

ジャックの目が輝いて、“覚えています、私がカウンターで働いているとあなたが入って来て何か手伝うから食べさせて貰えないかと尋ねましたが、私は規定で出来ないと言いました。”

“覚えています、あなたは見た事の無い様な大きなローストビーフサンドイッチとコーヒーを差し出して、奥のテーブルでゆっくり食べなさいと言ってくれました。 私はあなたが会社の規定を破ってクビにでも成らなければと心配しましたが、レジスターに金額を打ち込むのを見て大丈夫だと思いました”。

“自分で会社を始めたのですか”とジャックは聞いた。

“お陰様で私はその日の午後に仕事に就く事が出来ました。 幸運にも昇進を重ねて自分の会社も設立し、皆さんのお陰で成功しています。”と言いながら女性はハンドバッグから名詞を取り出して男に差し出した。“食事が終わったらライオン(姓)に会って下さい、彼は私の会社の人事部長です。これから私も話して於きますので何かあなたに出来る仕事を用意すると思います。 人事部長はお金を前払いして呉れると思いますので、着る物と住む所も探して下さい。 若し、他に何かありましたら私のドアーは何時も開いていますのでいらして下さい。

ジャックは涙ぐんで感謝の言葉を言ったが、女性は“神様のお陰です、神様がそうしたのです。”と言って警察官とレストランを後にした。 入り口の外で警察官に向かって“今日は手伝って下さって有難うございました、感謝します”と言い、警察官は“とんでも無い、エデイーさん、有難うございました、今日は一生忘れる事の出来ない奇跡を経験しました、コーヒーも有難うございました。”と感謝した。

以上。


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