話を先に進める前に、大型トラック用冷却液やフィルター類で有名はフリートガード(Fleetguard)のサイトに興味深い冷却液に関する説明がありましたので添付します。
http://www.fleetguard.com/pdfs/product_lit/asia_pacific_brochures/3300963A.pdf
説明の仕方が多少異なる所もありますが基本的な部分は此れまでに書いた事と同じです。 この中には、“水道水だけ(デイーゼル用冷却液を使わない)を使用すると条件次第では500時間程度でキャビテーションに因りシリンダーに穴が貫通する”と書かれています。
• デイーセルエンジン用不凍液の色
日本では赤と緑が多い様ですが、不凍液は多数の色に着色されており、中でも緑、赤、黄、青、ピンク等が一般的です。 此れらの色は冷却液のタイプを示す場合もありますが、特別な決まりが或る訳ではありません。 大型デイーゼルエンジン(輸送トラック)の冷却液は殆どが赤です。
• 冷却液の混ぜ合わせ
基本物質が異なる冷却液を混ぜますと当然ながら各々の冷却液の目的が達成出来ないどころか、問題を起す可能性は想像が出来ます。 冷却液を変更する場合、特に色の異なる場合はラジエーターのドレインプラグ以外にエンジンブロックに付いているプラグも外す等して古い不凍液を流し出し、適切な方法を使って水を循環させて古い冷却液を取り除く事が理想的です。
• 相性
冷却液には相性があります、即ちデイーゼルエンジンAに適正な冷却液がデイーゼルエンジンBには適合しないものもあります。 それはメーカーに依り、エンジン、ラジエーター、サーモスタット、ポンプ等の部品、更にはガスケット、シール、接着剤等の材質が異なるからです。
日本にはフォードデイーゼルエンジン搭載車(インターナショナル製)が多く入っているようですが、次のフォードサイトにPSD 6.0と6.4用の冷却液の説明がされています。
https://www.fleet.ford.com/truckbbas/non-html/DeiselTips/DLSCOOLANTINFOSS.pdf
此れに依りますと7.3用(2003年以前)には別に専用冷却液があると書かれています、即ち異なる冷却液を使用する必要があります(PSD 7.3に関しては別に後ほど書きます)。
冷却液の選択方法:
冷却液の選択は同じ色であれば混ぜる事が可能な印象を与える様な書き方をする人が居ます。 しかし同じ色でも混ぜる事が出来ない物もあり、異なる色の冷却液は先ず間違い無く混ぜる事が出来ないと考えた方が無難でしょう。
一番確実な冷却液選択方法は“オーナーズマニュアルに従い、規格に適合した冷却液を使用”する事です。
次回はフォードPSD 7.3用冷却液に関して書く予定です。 PSD 7.3は最もキャビテーションが起こり易いエンジンの中の一つとされています。
参考: 私は購入後間も無く赤色のバルボリン製ズイーレックス(Valvoline Zerex)に交換し、現在も使用しています。 この冷却液を選択した理由は、使用エンジンメーカーの規格に合う事、ケイ酸が入っていない事、SCA残量を調べたり加えたりする必要が無い事、ELC(Extended Life Coolant=3年又は3百万マイル)である事、全国の多くの部品店で手に入り易い事等が思い出されます。