DPの後部に関して書きましたので今回は前部に関して書きます。
DP即ちデイーゼルエンジンを後部に搭載したクラスA(イラスト左上)は何故入り口が前輪の前にあり、ガソリンエンジンクラスA(イラスト右上)は中央部に入り口があるのでしょう? 観光バス(イラスト左下)も一種のDPで入り口が前方にあります。多くの方は既にご存知だと思いますが、少々触れてみます。
ガソリン車又はFREDの様にエンジンが前方にあるクラスAは前方が重く、後方が比較的軽くなります。 此れに対してDP(デイーゼルプッシャー)の場合は最後尾にエンジンを搭載している為後方が重く、前方が軽過ぎになります。
前方が重いガソリンエンジンクラスAはタイヤ(車軸)に重量を分散させる為に後輪/前輪共に出来るだけ前方に移動させる必要があります。 しかし、余り後輪を前方にするとオーバーハング(後輪以後の距離)が長くなりお尻を振り回したり安定性を失って運転し辛くなり限界があります。従って、前輪を出来るだけ前方に移動させなくてはなりません。 DPの場合は反対で、後輪/前輪共に出来るだけ後方に移動させる必要があります。 しかし、後輪の車軸の後ろにエンジンがある為に後輪を後ろに移動させるには限界が有ります。従って、前輪を出来るだけ後方に移動させなくてはなりません。
それぞれのタイヤには許容重量(支える限界の重量)があり、全重量の65%が後輪に35%が前輪に掛かるのが理想に近い比率です。 前輪が重過ぎると前輪磨耗が激しくなり、軽過ぎると直進走行性を失い運転し難くくなります。 短いDPを製造出来ない理由は後輪を後ろに移動させるには限界があり、前輪も余り後ろに移動させるとホイールベースが短くなり過ぎて限界がある為で、特殊なドライブシャフト機能やエンジン配置の開発が無い限り30フィートが限界と思われます。 多くの短いDPは直進性が悪く、理由は既に書きました様に前輪に充分な荷重が無い為です。 私のDPも購入時は前輪の荷重が30%以下で直進性が非常に悪かったのですが、その後輪の後ろにあった飲料水タンクを前方に移動し、燃料タンクも前方に足して操縦性問題は解決しました。
出入り口(乗り口)の場所に関しては、ガソリンクラスAの場合は前輪が前方にある為、場所的に不可能で、DPの場合は中央部分は出入り口に使用するには高価なスペースの為稀で、殆どが前輪の前の部分(助手席の前)の他には利用し難いスペースを出入り口に有効活用しています。
此れが前輪の位置や入り口の位置が決まる基本的な理由です。