省エネ対策として“FRED=FRont Engine Diesel”と呼ばれるデイーゼルエンジンを前方に搭載したクラスAシャーシーがFreightliner社(大型トラック製造会社)から数年前に登場しました。
前方にエンジンがありますとDP(後部エンジン)に比べて10%程度燃費が良いと言われています。 その理由はDPはエンジン冷却の為に余分のエネルギーを消費するからです。 一般的なDPはサーペンタインベルトで駆動した冷却ファンにより後部よりラジエーターを通して空気を吸い込みます。 より高級なDPは油圧ポンプにより駆動された冷却ファンにより後部横に取り付けられた“サイドラジエーター”で冷却します。
サイドラジエーター方式には利点があります。 それは後部に冷却ファンが無い為にエンジン後部のポンプ類やオールタネーターを直接見ることが出来、簡単に修理や交換が出来ます。 此れに対して、後部ラジエーターの場合は冷却ファンが邪魔して後部からは見る事も手を入れる事も出来ず、唯一の方法は室内からで、それも非常に難しい状況です。 この為、大型トラック(デイーゼル車)修理工場でDPの修理を拒否された話も少なくありません ー 時間が掛かり修理費が高くなり過ぎるからです。
サイドラジエーターのもう一つの利点はラジエーターを比較的きれいに保てる事です。 後部ラジエーターはエンジンオイルや砂埃でラジエーターを頻繁に清掃する必要があり、此れを怠るとオーバーヒートの原因に成りかねません。
サイドラジエーターの欠点は価格です。油圧ポンプは通常2段変速でエンジン温度が低い時は低速、冷却が必要な温度を超えるとフル回転になります。 この様な機能を有する油圧ポンプは矢張り高価になります。2段変速とは言え、油圧ポンプを駆動する為にエネルギーロスがあり、FREDに比べて冷却効率はよくありません。
サイドラジエーター付きのDPは外見から特定出来ます。 イラスト左の様な空気取り入れ窓が後方下部にあります。 時にはジェネレーター用の窓の場合もありますが、多くの高級DPの場合は一目瞭然です。 後部ラジエーターはイラスト右の様に物入れのドアーが一般的です。
DPは走行中にエンジン音が聞こえず、エアーサスペンション、エアーブレーキ、エギゾーストブレーキ等多くの利点があり、此れらの特性を生かしながら省エネ対策をするには風圧を下げる為に幅を狭くしたり低くする事は限られた有効な手段なのかも知れません。
従って、ナローボデイー(95インチ)のDPは、Tiffin社に習って此れからアチコチのRVメーカーが製造を始める可能性は大いに期待出来ます。