燃料フィルターの交換をした際に経験をした事がある人も多いと思いますが、交換後に安易にエンジンを始動しようとしますとエアーを吸い込んでエンジンが始動せず、苦労をします。
今回はデイーゼル(カミンズ)エンジンの燃料フィルターを交換後に始動しない場合の解決法を書きます。
最初に:
デイーゼルエンジンは十分な圧縮があり、正常に燃料が噴射されていれば始動する筈ですが、インジェクターポンプ内にエアーが入りますと始動が困難と成ります。
この様な場合に、通常はインジェクションポンプからエアーを抜けばエンジンは始動する筈ですが、トランスファーポンプの上流(アップストリーム)の配管が緩んでいたり配管に穴が開いて居ますと空気を吸い込み、始動しない場合もありますし、当然トランスファーポンプが故障していれば始動しません。
フィルター交換後の一般的な始動方法:
燃料フィルターを交換した際はエンジンを始動させる前に、トランスファーポンプを6-7回作動させてからエンジンを始動させ、エンジンが始動後は2分程度は1200rpm程度で回転を続けた方が無難でしょう。 通常、インジェクションポンプ内に残っている燃料でエンジンは始動しますので、インジェクションポンプ内にエアーが入った状態でエンジンを停止させない事が大切です。
参考:トランスファーポンプはイグニッションキーを瞬時にスタートにした後、オンの状態に戻しますと振動音を発して約30秒間作動し続けます。
エンジンが始動しない場合:
始動しなかったり、一度は始動してもインジェクションポンプにエアーが入ってエンジンが停止してしまいますと、始動は非常に困難になります。 この様な状態になりましたら次の方法で解決します。
1. 燃料フィルターの下流(ダウンストリーム(エンジン寄り)のバンジョーフィテイングを緩めて、燃料が現れるまでトランスファーポンプを作動させます。 一般的には直ぐに燃料が漏れ出す筈ですが、トランスファーポンプの上流(アップストリーム)で空気を吸い込んでいたり、トランスファーポンプが機能していない可能性もあります。
2. バンジョーフィテイングから燃料が現れる事を確認出来ましたら、バンジョウフィテイングを締め付けます(18ft-lbs)。
3.(インジェクションポンプから)燃料がエンジンに入る配管を留める6個の内の手の届き易い場所の3個のネジを19mmのオープンエンドレンチを使用して半回転程度緩めます。
参考: 場所に依っては手が届き難かったり、レンチが入り難い(回転し難い)場所もあり、3個が無理の場合は2個で試みる事も可能。
4. 19mmのネジを緩めた状態でトランスファーポンプを作動させ、燃料が現れたネジから順次元の状態に締め付けます(28ft-lbs)。
注意: 配管ネジを緩めた状態でエンジンを始動させると燃料が大量に漏れる可能性があり、全てのネジを締めてから始動を試みる事。
5. 緩めたネジから燃料が現れる事を確認、更に全てのネジを締めて漏れた燃料を拭き、通常通りのエンジンの始動を試みます。 最初は1-2気筒が爆発を起こし、徐々に全てのシリンダーが爆発して回転が滑らかになる筈です。 この際、黒煙が出ます。
6.エンジン始動後は2-3分回転させて燃料が漏れていない事を確認して完了です。
非公開 2019年10月09日(水)00時00分 編集・削除
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