今回はトレーラー(TT=Travel Trailer)の牽引重量に関して、28ft エアーストリーム トラベル・トレーラーと、同じく28ft ビクトリー・レーン トイ・ホーラーを例に取って考えてみます。
トレーラーの場合は4つの重要な重量が有ります。
①. 許容総重量 GVWR (Gross Vehicle Weight Rating)
超えては成らないトレーラーの最大重量で、この許容総重量になるまで荷物(キャンピング装備、食器、工具、食料、その他)、液体(水、汚水)、その他を積載出来ますが、牽引車(TT=Tow Vehicle)の許容コンビネーション総重量 (GCWR WEIGHT)をも考慮する必要があります。
②. 基礎重量 (Base Weight)
メーカーが見積もった空の状態での重量で、必ずしも正確ではありませんが重要です。 基礎重量は許容重量に対して小さい方が、当然より大きな重量を積載可能で、メーカーの多くは軽い事を掲げます。
③. 正味積載重量 NCC (Net Carrying Capacity)
許容総重量から基礎重量を差し引いた重量でこの重量を超えない範囲で積載が可能ですが、基礎重量はメーカーが予想した数値で正確とは限りません。
スライドアウトや豪華な装備で基礎重量が増し、NCCが小さな場合がありますし、同時に軽量にする為に貧弱な構造の為に許容総重量は必然的に下がりNCCを確認する必要があります。
④. GVW (Gross Vehicle Weight = グロース ビヒクル ウエート)
走行状態での車重と積載重量の合計で、正確な数値を知って於く事は非常に大切です。 この数値はTTの許容重量を超える事は出来ませんし、TVの許容コンビネーション重量を確認する上で必ず必要です。 フル装備、水満タンで一度計量をする事をお勧めします。
牽引例:
前回例に取った1/2トン ダッジピックアップトラック(許容総重量6350、許容コンビネーション重量14100Lbs)を再度例にして、28フィートのエアーストリームを牽引した場合と、28フィートのトイホーラーを牽引した場合を考えてみます。
重量例1. 28’エアーストリーム(International Signature):
仕様に依りますと、①許容重量 GVWR (7600 Lbs)、②基礎重量 Base Wt(5923 Lbs)、③正味積載重量 NCC(1677)です。
トラックの❹許容重量まで、即ちトラック極限まで満載しますと6350Lbsで、❽許容コンビネーション重量が14100Lbsですので、TTの最大重量は差し引き7750Lbsと成ります。 TTの許容重量の7600Lbsはこの重量以下ですので、TTの許容重量まで積載可能となります、即ちTTの許容重量の範囲であればTVの許容コンビネーション重量をも満足させる事になります。
参考: 20%ルールを考慮しますと減量する必要がありますが、TV、TT共に許容重量、即ち満載した状態ですので、減量の余地はあります。
重量例2. 28’ビクトリー・レーン トイホーラー(Toy Hauler):
仕様に依りますと、①許容重量 GVWR (11176 Lbs)、②基礎重量 Base Wt(7244 Lbs)、③正味積載重量 NCC(3932)です。
上と同様にTVに許容重量まで積載しますとTVの最大牽引重量は7750Lbsですので、トイホーラーを満載した場合の11176Lbsを約3426Lbs(11176Lbs-7750Lbs)上回って仕舞い、トイホーラー自体は一般的な装備、食料、水等の他にオートバイやバギー等を含めて4000Lbs(小型車の重量)に近い重量を積載出来るにも拘らずトラックの許容コンビネーション重量をオーバーして仕舞い、トイホーラーの限度までは積載出来ません。 何らかの方法(オートバイ、水、人、その他を減らす??)でTVとTTから満載時より3426Lbsを取く、即ち、TVとTTの合計重量を14100Lbs以下にする必要があります。
この場合の可能性を考えますと、トラック乗車人員を2人(300Lbs)、荷物(200Lbs)に抑えますとTVのGVWは約5217Lbs(4717Lbs+300Lbs+200Lbs)に成りますので、目標とするトイホーラーのGVWは8883Lbs(14100Lbs-5217Lbs)と成ります。 従って、トイホーラーに積載出来る最大重量は1639Lbs(8883Lbs-7244Lbs)と成ります(注意: 数値は理論を示すのが目的で正確では無い)。
従って、この場合は計量をして正確な重量を知り、周到な計算の上で積載を行う必要があります。 牽引する力に関しては、若し、エンジンが5.7Lで、ギヤー比が3.92であれば問題は無いと思われます。 3/4トンのトラックでも同じコンビネーションが使用されて居ます。
今回の結論:
ダッジ1500 1/2トン トラックを使用した場合は最初の例に使用したエアーストリームクラスの重量の牽引は可能ですが、例2のトイホーラーは少々重量があり、許容重量に近い重量を牽引する場合は3/4トンのトラック、又は同等のGCWR(許容コンビネーション重量)を持つTVの方が無難と思われます。
参考:
この例に使用したトイホーラーは2004―2006年型ですが、最近のトイホーラーは更に軽量に出来ていてしかも5000Lbs前後のNCCを有する物もあります。
次回は纏めとして、牽引に関する法律問題、一般的な意見等を書く予定です。
未承認 2019年10月07日(月)23時45分 編集・削除
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