カミンズのメンテナンスガイドに依りますと、1998年以降に製造されたISB(5.9、又は6.7)エンジンの燃料フィルターはオイルフィルターを交換する度に、即ち15,000マイル(24,000Km)毎に交換する様に記されています。
燃料フィルターは2個付いており、1個はリフトポンプとインジェクションポンプの間に取り付けられたカートリッジタイプで、もう1個は燃料タンクとリフトポンプの間でシャシーに取り付けられたスピンオンタイプです。 今回は前者の燃料フィルターの交換に関して説明します。
燃料フィルターの選択:
見た目は全く同じでもフィルターの密度が、2、5、7、10マイクロン等色々あり、マニュアルに依って2マイクロンを奨励している様ですが手に入り難く、RVフォーラムでも色々な意見が出て議論されています。 カミンズ社に問い合わせて確認をした人の話ですと10マイクロンで大丈夫との事です。 私は一般的に売られているFleetgurd製のFS-19855(10マイクロン)、FS-19856(7マイクロン)、又は同等のフィルターを使用し、長期間使用せずに定期的に交換する事が大切だと思います。
燃料フィルター交換に必要な道具:
1-1/8 ソケットレンチ 又はスパナー
燃料フィルター交換ステップ:
1. フィルター交換の際に漏れ出す燃料を受止める準備
2. 1-1/8 レンチを使ってフィルターハウジングの上のカバーを緩める
3. カバーを緩めた後、短く切ったガーデンホース又はペットボトルで流れ出す燃料を受け止める用意をし、フィルターハウジングの左横のドレーンレバーを回転又は持ち上げて内部の燃料を抜く
4. フィルターカバーを完全に緩め、カバーとフィルターをユックリ左右、前後に動かしながら取り出す この際、カバーだけが外れてフィルターがハウジング内に残る場合もある
注意: フィルターが外れる際に燃料が更にあふれ出し、フィルターをユックリ持ち上げれば燃料はドレーンより流れ出す
5. フィルターハウジングの内部、特に水センサーの部分にゴミが無い事を確認、必要であれば取り除いてきれいにする
6. ドレーンレバーを完全に閉じた状態に戻す
注意: 此のドレーンは半開きの状態になり易く、作業完了後に燃料漏れを起こして苦労をする人(私も経験者)が多いので注意が必要
7. 古い“O”リングを新しい“O”リングと交換する(大小2個)
8. ハウジングカバーから古いフィルターを外し、新しいフィルターに交換
9. フィルター、ハウジングカバーをハウジングに戻し、カバーをねじ込む(25ft-lbs)
注意: 締め過ぎない事
参考: カミンズのマニュアルの中には新しいフィルターに交換する際に、きれいな燃料をフィルターハウジング内に入れる事を勧めている場合もありますが、入れた燃料はフィルターをバイパスするので禁じている場合もあります。 次の方法でエアー抜きをすれば問題は起こらない筈です
エアー抜き:
10. イグニッションキーを瞬時にスタートにした後、オンの状態にしますとリフトポンプは振動音を発して30秒間起動し続けますが、此れを6-7回繰り返します
参考: 人に依っては2-3回で十分だと言う人も居ますが、私は5回行ってエンジンが掛からなくなった事があります。 もう少々正確に書きますと、この際一発でエンジンが掛かったのですが、問題無く始動すると早合点して5秒程度でエンジンを切って仕舞いました。 従って、エンジンが始動後は2分程度は1200rpm程度で回転を続けた方が無難でしょう。
インジェクションポンプ内に残っている燃料でエンジンは始動しますので、インジェクションポンプ内にエアーが入った状態でエンジンを停止させない事が大切です。