制限速度が110Km/時の道を走行中に信号が見えて来ますと流石に緊張します。 下り坂を除いて、私のRVでの最高速度は93Km/時(58マイル/時)と決めていますが、それでも信号が青であれば何時黄色に変化するかヒヤヒヤです。 前方に乗用車が走っていたり、周りに乗用車が居れば私の前で急ブレーキを掛ける可能性を想定して車間距離や速度を加減します。 信号が早目に黄色になったり赤であると何となくホッとします。
現在のRVを購入以来、約16年間ブレーキの効き方に満足出来ませんでした、即ち乗用車の様にブレーキペダルの上に足を軽く乗せただけではブレーキは効かず、急停車をする為にはブレーキペダルを力一杯踏まなくては成りませんでした。
今回の旅行から帰って来てABS装置に内臓されたセルフチェック機能を使って調べた結果、全て正常に機能をしている事を確認しましたが、これはABS装置のセルフチェック機能範囲内での正常を意味し、ABS装置の一部であるリレーバルブやその他の部品は範囲外の可能性があり、エアーホースの配管路を変更してリレーバルブ(ABS装置を含めて)を完全に外した状態にして試験走行をしてみました。 その結果、ブレーキの効きが大きく改善されて気を良くしました。
ABS装置は車輪がロックする事を避ける装置ですが、此れまでブレーキペダルを強く踏んでもロックする状態までには程遠く、ABS装置が必要な状態ではありませんでした。 補償期間中に修理を何度か依頼しましたが全て正常だと言われ、重量の為だと我慢していました。
トレドルバルブ(アクセルバルブ)の先にリレーバルブが2個(前後用)付いていますが、ABS装置の一部であると共に、長いエアーホースの使用を避ける機能があり、即ちアクセルから遠い場所にブレーキが位置しますと送り込む空気量が多く成って時間的遅れが出る為にリレーバルブを入れてホースを短くするのが目的ですが、エアーと油圧を併用しているタイプのブレーキはエアーホースは短く(油圧は圧縮無し)、リレーバルブのABS関連機能以外はそれほど大切ではありません。
従って、今後ABSを取り除いて使用しても問題は無いのですが、リレーバルブが正常に機能していない事が分かった事で正常な状態に戻す事が出来ると考えました。
長い間の念願であったブレーキの効きが良くなった事でうれしく、数日後に又試験走行に出掛けました。 ところが、思っていた程改善されて居らず、何度も試験を繰り返した結果以前とそれほど変わっていない事に気付きました。
人間は錯覚に陥る事があります。 車を清掃したり、洗車をした後は調子良く走り、乗り心地も良く感じられます。 フィルター類を交換したりオイルを交換しても乗り心地が良く感じられます。 恐らく、今回のブレーキ制動に関する事も同じで、良くなったと感じられたのかも知れません。
以前一度削って薄くなっているローターを交換する事に決め、キャリパーを外して調べた結果、ローター面に無数の細い線が見え、爪で引っかくと段差があり、ひび割れがある事を知りました。 早速ローターを注文、パッドは殆ど減って居ませんでしたが思い切って此れも交換する事にしました。
今回こそはブレーキの効きを良くする為に、そしてそれにはキャリパーが最高の状態である様にピストンとシリンダー内部から錆や凝固した異物を取り除き、キャリパーの移動接触面の錆を全て落とし、潤滑グリースを付けて全て滑らかに動く様にしました。 キャリパー用のグリースの中にはゴムを肥大させる物があり使用には注意が必要です。 即ち、キャリパーのスライドする金属部分のグリースはそれほど問題ではありませんが、シリンダー内のゴム製オーリングやシールにはシリコングリース、リチュームグリース、その他のゴムと相性が良い適正グリースを使用する必要があります。
続く