Norcold 製冷蔵庫(モデルN62X, N64X, N82X, N84X)が、点火してバーナーが燃焼を始めても数秒中に消えて仕舞う問題に関して書きます。
調べてみましたが、同じ問題を経験しているRVerは意外と多く、結論から言いますとイグナイターに関する問題か基盤に関する問題にほぼ間違い無さそうです。
バーナーが燃え続ける仕組み:
1. 発火
冷蔵庫やウオーターヒーターのバーナーは色々な方法で、即ちマニュアルの場合はマッチやライターで点火し、自動の場合は発火装置(イグナイター)で火花を飛ばしたり、ニクロム線で熱したりします。
2. 点火
バーナーから噴き出すガスに点火し、燃焼を開始しますが、燃焼が確認出来ない場合は数秒後にガスバルブが閉じて燃焼は止まり炎は消えます。 此れは燃焼をしていないにも拘らずガスが出続ける事を防ぐ安全機能です。
3. 燃焼の確認
一般的に炎の上に設置されたサーモカップル(温度センサー)が熱せられて基盤が燃焼を確認しますが、N621(その他のモデル)の場合はイグナイターがサーモカップルと同様の役割を果たしています。 即ち、点火時に高電圧で発火すると同時に点火後は熱で発生する微量の電流を基盤に送ります。
問題解決法 - 燃焼が止まる:
当然、イグナイターの故障やサーキットボードの故障が考えられますが、その他の解決法が多く報告されて居ます。
• イグナイターの感度
暫く冷蔵庫を使って居ない場合に、点火を繰り返すとイグナイターに電流が流れ始めて燃焼を続ける報告があります。 中には20回程度繰り返して機能し始め、その後正常に機能している報告もあります。
• イグナイターの位置
イグナイターの位置は点火にも重要ですが、熱を感知する為に規定の位置に調整する必要があります(バーナーの上 3-5mm)。
• イグナイターの接触不良
発火は高圧の為少々接触が悪くても機能しますが、微量の電流は接触状態が大きく影響します。 イグナイターを取り外して、再度取り付けただけで直った人が多く居ます。
• イグナイターの表面
微量の電流の為にイグナイターの熱伝導も大切で、ワイヤーブラシや細かい(400番以上)サンドペーパー等で表面を磨いて解決した例もあります。
多くの人が上の何れかの方法で解決していますが、以上の方法で解決すればお金が全く掛かりません。
イグナイター:
発火は高電圧の為に少々の接触不良は問題としませんが、熱感知機能は微電流の為に機能して居ない可能性も考えられます。 しかし、イグナイターの交換は少ない様です。
基盤:
基盤の交換で解決した人も居ますが、基盤を交換する際は基盤の後ろの面にプリントがされている部品番号を元にダイナソアー(DINOSAUR)製の基盤の購入をお勧めします。 部品表やカタログの部品番号は実際と異なる場合が有る様です。 RV界ではダイナソアーの基板は良く知られていて定評がありますhttp://www.dinosaurelectronics.com/Nor_boards.htm。