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ライド-ハイト-バルブ

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ライドハイトバルブはエアーサスペンションの空気流量を制御して車高を調整する目的のバルブで、ライドコントロールバルブ、レベリングバルブ等とも呼ばれます。

ライドハイトバルブの重要性:
• 前回、ドライブシャフトのグリースアップの重要性を書きましたが、ライドハイトバルブもこの事に大きな関係があります。 即ち、DPはドライブシャフトが短い為にライドハイトバルブの調整が僅かでも狂っていますとドライブシャフトとトランスミッション(エンジン)が直線状態から外れ、ユニバーサルジョイントがより厳しく運動する状態に成り、その結果デファレンシャルにも周期的な上下方向の余分な力が掛かりギヤーやベアリングの磨耗、更には振動音の原因となります。

• 車高は(フロント)アライメントにも影響しますので、アライメント調整を行う前にライドハイトバルブの調整を必ずする必要があります。 当然ですが、ライドハイトバルブの調整が狂っている状態では正確なアライメントは得られません。

• ライドハイトバルブ調整は単に車高を高くしたり低くするだけでは無く、左右の傾斜にも影響します。 幾らアライメントが正確に調整されていても、車体が左右に傾斜していますと直進性を失いハンドルを取られる原因になります。

ライドハイトバルブの機能に関して:
ライドハイトバルブはエアーサスペンションを装備した車のエアーバッグ(エアースプリング)の空気圧調整を行い、通常3個のライドハイトバルブが取り付けられていて、前2個後ろ1個もあれば後ろ2個前1個の車もあります。 
ライドハイトバルブは車体に、そしてそのバルブのレバーは車軸の一部に取り付けられて、予め規定された車体の一部と車軸の一部の距離を基準値に保つ働きをします。 即ち車高が下がってエアーバッグが圧縮されて基準値より小さくなればエアーバッグに空気を送りこみ、基準値より大きくなればエアーバッグ内の空気を排出します。


危険: 調整は危険を伴います。 エアーバッグの空気が全て抜けますと車体が下がり人間を潰す結果にも成ります。 調整中に死んだメンバーがいる事がRVフォーラムで報告されていますし、十分に調査をして安全の準備をして行って下さい。 ピット(溝)、4輪を上げるレール構造、その他ジャッキ、ブロック等を使用して事故の起こらない状況確認は不可欠です。

ライドハイトバルブの調整:
既に書きました基準値はシャシーメーカーがシャシーを設計した際に定めた数値で、シャシーメーカーに問い合わせればVINナンバーを元に、測定基準となる場所と数値を教えて呉れます(ウイニベーゴー、フリートウッド、ナショナル、モナコ等のRV会社に問い合わせても分からないと思われます)。
• 基準値を知る
• タイヤ空気圧を基準値に調整する
• 水平な場所に、4輪全てが接地している状態で停める
• エアーシステムが規定の空気圧である事を運転席のゲージで確認する
• ライドハイトを変更をする前に、此れまでのレバー位置をマジックペン等で記しをする
• 少量づつ調整する
• 調整後は車体を揺らして基準値である事を確認する
• バルブ付近の空気漏れと共に、全てのエアーホース(接続点)の漏れが無い事を確認

注意:
• 初めて調整を行う人は十分な知識を得て、安全である事を確認してから行って下さい。
• ライドハイトバルブによっては樹脂部がひび割れを起こしエアー漏れを起こします。 私のバルブは全てひび割れを起こし、順に全て交換しました。
• 全く同じシャシーモデルでも全く異なる(互換性の無い)ライドハイトバルブが使われている事を最近知りました。 代替品購入時はオリジナルを参考にして下さい。 メーカーにより形状が異なり、使用可能な場合もあります。
• 水平取り付けと直立取り付けの違いで、バルブを分解してレバーの位置を90度変更する必要がある場合もあります。

安全第一で、疑問がある場合は専門家に相談して下さい.