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“ラウンドアバウト” と ”Yield”

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前回、”Yield”(イールド=譲歩)と言う言葉に関して説明しましたが、この言葉に匹敵する日本語交通標識は無いと思います。 ”Yield”とは、車、自転車、人間等、”Yield”させる物体が居れば停止をする必要がありますが、居なければ停止をする必要は無く、通過をする事が出来ます。即ち、一旦停止でも無ければ徐行でもありません。

”Yield”が使用されるよい例は横断歩道や踏み切り通過です、即ち歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら停止をして歩行者が通り過ぎるのを待たなくてはなりません。 日本では踏切では一旦停止ですが、アメリカでは ”Yield”で電車が来ていなければ停止をする必要はありません。

“ラウンドアバウト”とは日本ではロータリーと呼ばれると思いますが、1960年代には東京に幾つかありましたが最近はあるのでしょうか?  ロータリーを使うのは早い者勝ち で通過するには度胸が必要であった様に私は記憶しています。

“ラウンドアバウト”はアメリカを始め、オーストラリア、ヨーロッパ、北欧にもあり、”Yield”のルールが(南ヨーロッパを除いて)大きな役割を果たしています。 次のサイトにミネソタ州の “ラウンドアバウト”通過のルールが記されています。
http://www.dot.state.mn.us/roundabouts/

通過ルール:
• “ラウンドアバウト”に近付く際は速度を落とす
• 車線が複数ある場合は入る前に適切な車線を選択
• 歩行者や自転車には ”Yield”する
• 路上に示されている交通サインに従う
• “ラウンドアバウト”に入っている車に ”Yield”する
• “ラウンドアバウト”内では停車、追い越し、車線変更は禁止
• 緊急車両が近付いた場合は即座に “ラウンドアバウト”を出て道路脇に停止


日本のホームセンター等の大きな駐車場には“止まれ”のサインがアチコチに示されていますが実際に停止する人は稀です。 “止まれ”が ”Yield”、即ち“譲歩”なる交通標識に置き換えられれば“止まれ”の交通ルールが現実的になるものと思われます。

高速道路(車線)に入り方

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運転免許取り立てで、又は新しく大きなRVを購入をしたてで等、色々な理由で運転に自信がない方の中には高速道路に入る事に苦痛を感じている人は多い様です。 アメリカの場合は運転免許を簡単に取る事が出来て、日本の様な運転教習所に通って免許を取る人は非常に稀です。 運転教習所は職業運転手の為のトレーラー用にはありますが、乗用車用やRV用は無くて公道を使います。 “大型RVを買ったが怖くて運転が出来ない”と言う人も少なくなく此れらの人用の運転を教える人が居ますが、一緒に乗って公道や駐車場等を使って教えます(私の家内もRVの集まりで女性を集めた訓練を受けた事がありますが)。 

日本では正規の運転訓練を受けた人又は厳しい運転試験をパスした人だけが運転免許を持っていますので問題は無いと思いますが、アメリカのRVフォーラムでは、“高速道路に入って来る車に対してどちらに優先権があるのか?”がよく話題に上ります。
http://www.rv.net/forum/index.cfm/fuseaction/thread/tid/26084401.cfm

この様な書き込みを読んで驚く程多い意見が“高速道路を走っている車に優先権があるので譲らず、其のままの速度を維持する”で、実際優先権は高速道路走行中の車にあり、“速度を落とすと事故の原因になる”も理由ではあります。 
数年前に 読んだ書き込みでは“大型トラック運転主をしている友人に聞いたところ、車線変更時に起こる事故が多いので車線変更はするべきでは無いと言われた”と書き込んでいる人が居ました(明らかに間違い)。 此れを読んだ直後に旅行に出た際に高速道路への進入車を見ても車線変更をしない運転を試してみましたが、事故の原因を作っている様な運転で、ブレーキを使う頻度も増し、疲れる運転である事は明らかでした。 

私は此れまでに上に書いた様な高速道路の状況で危険を感じた事は殆ど無く、余り意識をした事はありません。 私の考えは、高速道路を運転している人から見れば、進入車を見た時点で早めに車線変更をするのが一番楽な方法で、車が多くて車線変更が無理な場合に限って速度を落とし進入車が容易に車線変更が出来る様にしてあげれば、神経をすり減らす様な危険な状況にはなりません。 高速道路を走行している人の方が進入車に比べて視野が広く(進入車両のバックミラーより)、状況判断もし易い状況です。

進入車側から見れば、出来るだけ早く高速道路走行車の流れに近い速度にし、タイミング良く車と車の間に入り込むのが安全です。 渋滞していて高速道路の車の速度が低い場合は別ですが、制限速度に近い速度の場合は進入車が進入地点で停止をすると再発進して高速道路に入る事は難しい(場合に依っては不可能)どころか非常に危険です。

当然ながら車線変更をするのが苦痛に感じている人は上に書いた様な安全な高速道路への乗り入れは難しくなりますので、その様な人は次の様な事柄を練習する必要があると思います。
バックミラーの使い方
早めに状況の変化を読む習慣
他の車と調和の取れた運転
周りの車がどの様な考えを持っているかを知る

長距離トラックやバスの運転手は上の事を無意識の内に行っていると思います。


参考:
英文で交通法規に関する書き込みを読みますと、よく“Right of Way” と “Yeald” と言う言葉を目にします。 何れも同じ様な意味ですが、“Right of Way” は優先権を、“Yield” は譲歩(譲りなさい)を意味します、即ち“Yield” のサインがある所で車が来る直前を出て行くと違反で捕まります、この様な状況では一旦停止を意味します。   “Right of Way” に関しては上のサインを見て頂くと意味が分かると思います。

“Merge” のサインや言葉も良く目にします。 此れは合流を意味し色々な種類の合流を意味する標識があります。 上の写真の場合は(右)車線が無くなり左車線に合流を意味します。