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乗り心地に関して、 その3 タイヤ選択

乗り心地に影響するタイヤ関係の要素は次の様な物があります。
空気圧
タイヤサイズ
タイヤモデル (ロードインデックス、ロードレインジ=Load Range)
タイヤモデル (構造、材質)

空気圧:
乗り心地に最も影響力のあるのが空気圧で、多くの人が空気圧を下げる事で乗り心地を改善しています。 しかし、空気圧は低過ぎますとバーストの大きな原因にも成りますので、タイヤメーカーが定める荷重に対する最低限の空気圧を使用する事は非常に大切です。 DPのエアーサスペンション付きでもタイヤ空気圧が高過ぎれば乗り心地は悪くなります。 この件に関しては後ほど書きます。

タイヤサイズ:
必要な空気圧が非常に高い為に乗り心地を悪くしている場合がありますし、稀ですがオリジナルタイヤサイズでは重量に耐えるに充分では無い場合があります。 この様な場合はタイヤサイズを変更して解決出来ますし、多くの場合はホイールの交換は必要ありあません。 ホイールを交換する場合はホイールが使用空気圧に耐え得る事は勿論、ホイールを交換する事でフェンダーに接触したり操縦性に影響が出ない事を確認する必要があります。

参考: 出来ればタイヤモデル変更、又はサイズ交換に留め、余程の理由が無い限りホイール交換はしない方向で解決したいと、私は考えます。
アメリカではタイヤサイズを変更する為にホイールサイズの変更は滅多に無いと思いますが、 アルコアホイールに交換やスーパーシングルに変更に関しての書き込みを読んだ事があります (私は主にクラスAのフォーラムを読みますので、クラスB、クラスCでは異なるかも知れません)。

タイヤモデル (ロードインデックス、ロードレインジ):
タイヤは同じサイズでもサイドウオールの構造その他で最大荷重 (許容重量) が異なります。 多くの場合、安価なタイヤは最大荷重が低くなっていますので気を付ける必要がありあます。 アメリカ車のタイヤにはロードインデックス (LI) は使われておらず、D、E、G等のロードレインジで記されています。 昔はサイドウオールの層の数 (例えば8プライ、10プライ) で強度を示していましたが、最近は使われていません。

タイヤモデル(構造、材質):
乗り心地はタイヤのメーカーやモデル(構造、材質)に依っても異なります。 例えば、ミシュランタイヤの中でもRV用としてポピュラーなモデルにXRV、XZE、XZAがありますが、XRVはRV用に作られていて乗り心地が良い事で知られています。 ミシュランに依りますと日光等によるサイドウオールのひび割れを防ぐ為に特殊材が追加されているそうですが、皮肉にもひび割れの苦情は多く、又、サイドウオールを縁石に擦る事で弱くなり、走行中のサイドウオールのバーストも問題になっています。 XRVを好んで使用している人もいますが、乗り心地が硬くなってもXZEモデルに交換する人も少なくありません。 XZEモデルはバーストの問題は無い様です。 又、XRVの中でも235-80-22.5のサイズは特にバーストの問題が多く、あるキャンピングカーメーカーはミシュランタイヤXRVの235-80-22.5をトーヨータイヤの245-75-22.5 に変更した経緯もあります。

タイヤ選択方法:
タイヤ交換、又は購入を考えている場合は次の順に考慮する必要があると思います。
1. 車軸の重量(理想的には軽量で)からタイヤに掛かる最大荷重を算出する
2. 必要なタイヤロードインデックス知る
3. タイヤメーカのブローシュアーを集める
4. ストックメーカーと同じサイズで必要ロードインデックスタイヤを探す
5. 充分なロードインデックスのタイヤが無い場合はタイヤサイズ変更を考慮する
6. 同じホイールに装着可能なタイヤサイズを選択する
7. ロードインデックが適切なタイヤを選択する
8. 外周寸法がオリジナルに近いものを選択する

以上、タイヤサイズ変更はアメリカでも行われているのを読みますが稀です。先ずは適正空気圧を調べて問題解決出来ない場合に考慮して下さい。

安全性を最優先にし、日本では車検制度もある事ですし、充分調べた上で判断して下さい。

次回はタイヤ空気圧に関して書く予定です。

乗り心地に関して、 その2 ショックアブソーバー  補足

F-53 シャシーの乗り心地が硬過ぎる件に関してはよくRVフォーラムの話題になります。 次のサイトは一例ですが、モンローショックアブソーバーにするべきかビルスタインにするべきかの質問に対してのやり取りです。
http://www.rv.net/forum/index.cfm/fuseaction/thread/tid/25724428/srt/pa/pging/1/page/1.cfm

このサイトが偶然目に付きました。前回書きました私の意見と同じ箇所も多数ありますが、更に為に成りそうな書き込みもありますので補足します。

フォードF-53 シャシーはガソリン車のクラスAに使われています。もし、フォードV10 が搭載されていればほぼ間違い無くF-53 シャシーが使われていると思います。現在乗り心地が硬い場合、特にF-53 にお乗りで硬くて困っていらっしゃる方には参考になる点もあるかも知れません。

全く同じシャシーが使われて居ても、キャンピングカーの乗り心地はその間取り、飲料水タンク、ガソリンタンクの配置等によって大きく左右され、その理由は前後の車軸に掛かる重量に因ります。

車軸に許容重量(最大重量)に近い重量が掛かる場合は硬い(強い)ショックアブソーバーが必要ですが、60%-70%程度の重量が掛かっている車軸に余り硬い(強い)ショックアブソーバーが付いていますと鉄棒の様に縮まず、硬い乗り心地になります。

キャンピングカーメーカーに依ってはF-53 にビルスタインがオリジナルとして装備されている物もあるようで、モンローに交換して乗り心地が良くなったと書いている人がこのサイトだけでも数人います。 又、KONI(高価)の代わりにモンローにすれば数回交換出来ると皮肉っている人もいます。

ある人のF-53シャシーは前後の許容車軸重量が7000ポンド/13500ポンド、実際の車軸重量は5500ポンド/13200ポンド、即ち前車軸は軽く、後車軸はほとんど制限重量に近い状態でした。 その理由は380リットルの飲料水タンクが後車軸の真上、285リットルのガソリンタンクが後車軸の後方に、更に53リットルのプロパンガスタンクが先の2個のタンクの間に取り付けられているからだそうです。
と言う訳で、この人は前輪のタイヤ空気圧を下げる事で乗り心地問題を解決しています。(注意:後輪ダブル)

ショックアブソーバーを余り柔らかくするとカーブの際や横風で車体が傾く恐れがありますが、この様な問題がある場合はスウェイバー(Sway bar)と呼ばれる“コ”の字型に曲げた棒状のスプリングを取り付ける必要があります。 多くの場合は前車軸にはオリジナルで取り付けられていますが、後車軸用は後付け部品として販売されています。
http://www.google.com/search?tbm=isch&rlz=1T4DKUS_enUS281&hl=en&source=hp&biw=833&bih=522&q=motorhome+swaybar&gbv=2&oq=motorhome+swaybar&aq=f&aqi=&aql=&gs_sm=12&gs_upl=4165l6178l0l8502l10l10l0l0l0l0l203l1435l0.8.1l9l0

スウェーバーは乗り心地を硬くすることはありません。

ショックアブソーバーの選択も大切ですが、適正なタイヤ空気圧を使用する事は、乗り心地を良くすると共に、安全の為にも非常に大切です。

次回は空気圧に関して書きます。