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タイヤの安全性

ファイル 373-1.jpg

NCフォーラムにタイヤ空気圧に関するご質問がありましたので考えてみます。

ご質問のタイヤ、並びに車両重量は次の通りです。
タイヤサイズ  215―70-15 98 Q
前車軸重量 = 1180Kg 
後車軸重量 = 1370Kg 
合計重量  = 2550Kg 
総重量   = 2880Kg

合計重量は完成車に燃料を満タンにした時の重量(2550Kg)で、其れに最大積載量の330Kgを加えて、総重量が2880Kgと思われます。 即ち、乗客、水、食料、キャンピング装備等が330Kgと考えられます(2550Kgは余りにも軽過ぎて乗客4人が含まれるとは考えられません)。 

本来ならば前車軸と後車軸の総重量が記されているのですが無い様ですので、総重量を上の重量比に換算する事にします。
前車軸総重量 = 1333Kg 
後車軸総重量 = 1547Kg 
合計総重量  = 2880Kg 
左右のタイヤに掛かる重量は上の総重量の半分ですので、
前輪の総重量 = 667Kg
後輪の総重量 = 774Kg

しかし、上のタイヤの支える重量は左右均等の場合で、左右前後の重量の割り当ての不均衡を考慮して、前輪タイヤは少なくとも700Kg,後輪タイヤは800Kgの荷重に耐える必要があります。

上のロードインデックスチャートで参考タイヤのロードインデックス98を見ますと750Kgです。 即ち、このタイヤは規格で許される最大空気圧を入れても750Kgで後輪の800Kgの荷重は大き過ぎます。 

又、このタイヤの最大空気圧は3.1Kg/cm2で (44psi) ですので 5.5Kg/cm2を入れる事は非常に危険です。

価格が70%-80%高くなりますが、安全に走行する為には次のトラック用タイヤが不可欠です。
215-70R15 105/107 L LT
このタイヤのローどインデックスは 105105/107 ですので、925Kg以上の荷重に耐え、後輪荷重の800Kgを支える事が充分出来ます。 更にタイヤメーカーの空気圧チャートを使って最大空気圧より低い値安全な圧力に設定しますと乗り心地も良くなります。


上の計算例は総重量を使って行いましたが、現実的に安心して運転出来る様にするには燃料と飲料水を満タンにしキャンプに行く装備を積み込んで計量をする必要があります。 又、満タンにして総重量をオーバーする様な場合は減量を考慮しなくてはなりません。 総重量はタイヤだけで決められたものでは無く、オーバーをすれば車軸、ホイール、サスペンション等の部品が壊れる事にも成りかねません。


タイヤの種類
215―70-15 は日産XトレールサイズのSUV用で、重量の大きいキャンピングカーには不十分です。 恐らくタイヤの側面に最大空気圧が3.1Kg/cm2程度に表示され、最大荷重は750Kg程度の表示がされていると思われます。

注意:
タイヤは細かいひび割れを起こす場合があります。 一般に、6年が過ぎればトレッドが充分残って居ても、バーストを起こした場合の修理費を心配して、買い替える人は少なくありません。 多くのタイヤ会社が6年での交換を唱えていますが、現在ミシュランタイヤは6年過ぎたら頻繁にひび割れや傷の検査をし、10年で交換を奨励しています。 

タイヤ空気圧

このブログで時々書きますが、安全なタイヤ空気圧に調整して走行する事は非常に大切です。

安全なタイヤ空気圧は実際の車重とタイヤの規格から決まります。 キャンピングカーの場合は一般乗用車と異なり自動車会社でシャーシーが製造された後ハウス部分が付け足されますので複雑です。 

シャーシーは総重量に応じて車軸、ホイール、タイヤ、サスペンション等が設計製造されています。 往々にして考えられがちですが、タイヤを交換しても許容重量、最大積載量、総重量等を増す事が出来るとは限りません。 即ち、タイヤ以外の車軸、ホイール、サスペンション等の限界を超える可能性があるからです。

車重が大きくなり過ぎて最大積載量が非常に少ないキャンピングカーもあるのが現実です。 設計された総重量を超えて走る事は危険ですので、燃料や水等を満タンにし、全ての装備を積み込んで計量をする事は一度は必ず必要です。

計量値が総重量以下である事を確認し、不幸にも定められた総重量をオーバーする場合は水の積載量やキャンピング装備を減らす必要があります。 中には燃料を満タンに出来ない人も居る事をRVフォーラムで読んだ事があります。 

もう一つ大切な事は、車全体の重量が規定内でも前後輪、又は左右の何れかでオーバーしている場合もありますので、車重が総重量に近い場合は左右前後の4輪を計量する必要があります。

アメリカの場合はトラック用の大手サービステーションに行けば必ず計量盤が設置してあり、$10前後で計量が可能です。 

参考:
私は以前サービステーションの計量盤を利用して2度行って居ますが、$6.50(2001年)と$7.50(2006年)支払っています。 その後、アメリカやカナダの道路沿いに設置されている公共のトラック計量所で無料で2度、前後左右別々に計量しています。


車重が総重量以下である事を確認してからそれらの重量に耐えるタイヤと空気圧を調べる必要があります。

タイヤと空気圧設定に関しては次回書きます。

セルフサービスガソリンステーション

以前は全てのサービスステーションがフルサービスで、窓ガラスを磨いて呉れ、自分で給油をしても価格は同じでした。  1950年代にアメリカの地方都市で最初にセルフサービスが現れて、1970年代のオイルショック時に安く購入出来るセルフサービスが人気を持ち始めたようです。

その後多くのサービスステーションでセルフサービスとフルサービスの2種類のポンプを設置してフルサービスの価格は10%-20%程度高くなりました。 現在でもフルサービスポンプ(価格が高い)を置いている所がありますが稀です。

私の知人で “給油の仕方を知らないので” を理由に今もフルサービスを使っている人が居ます。 決して差別をする訳はありませんが女性です。 恐らく習慣、又はガソリンの匂いが付いたり手を汚くするのが嫌なのでしょう。

カナダのアメリカに近い地域ではアメリカと同様でセルフサービス専門のサービスステーションが沢山ありますが、未だに従業員が出て来て給油をして呉れるのが当り前になっている地方もあります。

アメリカのオレゴン州とニュージャージー州は例外で、自分で給油をする事が禁じられています。 知らずに(忘れて)自分で給油ノズルを使い始めますと従業員が飛んで来て怒ります。 此れは州の厳しい罰則があり、ある従業員に依りますとサービスステーションが罰金を払わされたり従業員がクビにされたりするからとの説明でした。

これは安全重視が理由の様で、ガソリンと軽油の取り違えが理由では無い様です。 デイーゼル燃料に関しては厳しく無い事をあるサービスステーションで知り、中には嫌がる従業員も居ますが、私のデイーゼルRVには何時も自分で給油をしています。 自分で給油の理由はタンクが大きい事と入れ口からタンク迄のホースが長い為に自動的に給油が停止して燃料を入れる量が分かり難い事が一つと、昔、従業員がキャップを付け忘れ、代替キャップを探すのに苦労をし、布切れを差し込んで走った事があるからです。


参考:
日本のサービスステーションの数はアメリカの半分以下ですが、イギリスやドイツは日本の数分の一の様です。 しかし、少々信じ難いのですが、中国は非常に多く日本の2倍程度あるそうです(確認をお願いします)。