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誤った知識【ミッションオイルは交換しなくてもよい】

 ミッションオイル(ATF)は交換しなくても良いという話があるが、これは全く間違いである。
 もともと、ミッションは自動変速を油圧の力で行っている。当然、油は汚れスラッジなどが発生、劣化する。
 劣化したままのATFで使用を続けると、変速時のショックの増大、変速時のスリップ、変速点の狂い、変速がロックされる、後退ができなくなるなどの症状が発生する。

 では、購入からかなりの距離を走行し、かなりの年数が経過している車両はATFを一気に交換するとミッションを壊す恐れがあるという話があるが・・・これは理論上でも一理ある。
 なぜならATFの交換を一度も行っていない状態で新品のATFに交換する場合、ミッション内部に溜まっていたスラッジが一気に抜け、残ったスラッジが油圧ポンプに流れ込みソレノイドバルブなどを詰まらせるからである。
 このような場合油圧ポンプが詰まり、ATFが沸騰し噴き出すケースがある。修理には、多大な時間と費用がかかることは覚悟しなくてはならない。

 キャンピングカーのATFで気をつけることは・・・。
 キャンピングカーは車体が重い為、ATFも劣化が早い。
 無架装状態に指定されているATF交換距離および時期よりも早めに交換することが大切である。


 要するに、ATFはある一定距離または、期間で交換すべきであり、信頼(保証のある)のできるディーラーやショップなどで行うことが望ましい。

誤った知識【ステンレスビスを使う】

 鉄製のビスが錆びていたので、ステンレス製のビスを使う・・確かにビスは錆にくいが、ビスをねじ込んでいる鉄板に錆を進行させてしまうことになる。
 これは、異種金属同士が接触することで、電子の流れが発生しイオン化傾向の強い金属が陽性となりその周辺に錆が発生する。
 つまり、鉄製のビスよりもステンレスビスに交換した場合はその周辺に赤錆が発生することになる。
 国産自動車の場合は、きちんとその対策はされており、鉄板にビスを直接ねじ込むことは皆無である。国産自動車の場合、一般的にプラスチックの受けを鉄板に入れ込み、それにビスを止めている。
 しかし、キャンピングカーの場合、鉄板にビスを直接ねじ込んでいる車両が多いのが現状である。
 錆が発生している場合、ステンレス製ビスに交換することでさらにその周辺を錆びさせてしまう。

誤った知識【エンジンストップ】

 環境保全の意識が高まる中、環境保護の観点から、信号待ちでエンジンを切るいわゆる”エンジンストップ”がある。
 一般的にアイドリングをストップすることで地球に優しい・・・と言われている。
 エンジンストップすることは、確かに排気ガスを出さないため、100%地球に優しいという理論は当てはまる。
 しかし・・・・
 信号待ちのたびにエンジン停止、エンジン始動を繰り返すことはセルモーターをはじめ、その他補記類の機械的寿命を著しく短くする結果となる。
 通常、1日走行しても、数回しかエンジン始動をしないのに、信号待ちのたびにエンジンをストップ&スタートを繰り返ことを考えただけでも、1日の消耗が1か月分の消耗にもなりかねない。距離が長くなれば、渋滞に遭えば・・・かなりの回数になるはず。
 当然、機械的寿命は縮まり機械的寿命となったものは、部品交換となる。
 壊れた部品は、処分ということになり決して地球に優しいとは言えないのではないだろうか。それらをリビルドする会社もあるがまだまだ数は少ない。
 エンジンストップは、目先の排ガスのことのみで考えれば確かに地球に優しい・・・しかし、自動車自身の部品の寿命を縮めることは地球に優しいとは言えない。
 本当の意味で地球に優しいとは、デメリットのないものでなくてはいけないのではないだろうか。

誤った知識【オートマチックと燃費②】

オートマチック車で信号待ち等の停車の際、Dレンジのままブレーキを踏んでいたほうが燃料消費が少なくて済む・・・・?
 または、Nにしたほうが燃料消費が少なくて済む・・・?
 結論から言えばあまり変わらない。
 N、Dのいずれにしてもエンジン回転数を一定に保つために燃料を消費する。最近では、Dレンジのままでも信号待ちで停車するとNレンジに近い状態に切り替わり、ブレーキペダルから足を離すと通常に切り替わる車もある。
 機械的な寿命から考えれば、レンジの切替を頻繁に行うとAT内部のクラッチ摩耗が増え、結果的に変速ショックの増大、ATフルードの汚れ、変速時のスリップ等がにつながるケースがある。
 機械的寿命や劣化を防止する上では、Dレンジのままの方がミッションに優しいと言える。
 
 

誤った知識【オートマチックと燃費】

 一定の速度で巡航している時、N(ニュートラル)にすれば惰性で走れるため、ガソリンを消費しない(燃費が良くなる)という考え方は正しいのであろうか・・・・。
 結論から言うと誤りである。
 Dレンジに入れた場合、エンジンの回転数が一定以上上がらないようにフューエルカット機能が働き、燃料供給がストップさせられる。要するに、Dレンジに入れて惰性で走っても燃料を無駄に消費することはなくエンストすることもない。しかし、Nレンジの場合、このフェールカット機能が働かないため、常にガソリンを消費している。
 つまり、Nの方がガソリンを多く消費するということである。
 フェールカットは、エンジンブレーキでも作動するが、極度なエンジンブレーキを繰り返すことは、トランスミッションの損傷につながる。これも要注意である。
 ガソリンの価格が高騰しているが、走行中にエンジンキーをオフにしたり、坂道を下る際にNレンジに入れることも非常に危険である。たった僅かな数十円をケチろうとする行為が命を落とす事故につながりかねない。

燃料ポンプ

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 写真は10年超過したキャンピングカーの燃料ポンプである。
 一般的に燃料ポンプは燃料タンク内にあり、まずお目にかかることはない。
 丸印で囲んだものが、燃料ポンプのフィルターである。
 赤丸は新品のフィルター、黄色は10年経過したフィルターである。一目瞭然、黒く汚れていることが分かる。
 走行はそれほど多くなくてもこのように汚れが発生する。
 汚れが極端に進めば、燃圧にも影響を及ぼしかねない。
 また、燃料ポンプのぺラの磨耗や経年劣化などが発生した場合、アイドリングが不安定になったり、走行中に加速できなくなったり、最悪の場合はエンジン不動となる。
 燃料ポンプの不具合は、簡易的な方法であるが事前に察知できる場合がある。
 それは、音を聞き分けることである。
 燃料タンクに耳を近づけると”キーン”というような周波数の高い音が聞こえる。
 この音を日ごろから聞きなれておくと、故障した際の音の周波数の違いからポンプの不良を判断できる。
 ”音”を知ることもメンテナンスの一つである。

10万キロ走った車は・・・・・

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 某オークションサイトの自動車カテゴリーのコメント欄に
”10万キロを超えて絶好調”・・・・
”10万キロを超えてこれからが調子がさらによくなる”・・・
”10万キロを超え慣らし運転がやっと終わった”・・・
 などと書かれたものがある。
 長距離を走るトラックやバスなどは10万キロ、50万キロ・・・と走った車両はざらにある。ただしこれらは、それなりに消耗品などを定期的に交換し、メンテナンスも行き届いている車両の話である。
 10万キロを超えて・・・良くなるというのは、かなり誇大表現であり、個人的な主観である。
 当然、エンジン、ベアリング、ゴム類全てが磨耗、劣化などは避けることができない。
 写真は、10万キロを超えた車両のインジェクターである。スラッジが蓄積している状態。もう一枚の写真は、清掃後のインジェクターである。
 このスラッジが蓄積した状態がさらに進めば噴射にも影響がで、エンジン不調になる。
 このように使えば必ずそれなりの状態になるものである。
 10万キロ超えて調子がさらによくなる・・・・ありえないことである。
 

パーツの信頼性

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 先日、プラグを交換するためAC製のプラグを購入した。
 2本目を取り付けようと箱から出し手に取ったところ、電極が何となく変である。
 目の錯覚かと思い、電極を良く見ると電極部がほぼ接触した状態になっておりギャップがない。
 外国製品のパーツの場合、全くの新品であるにもかかわらず、このようなケースが実際にある。
 このような製品の場合、アイドリングが不安定になったり、バラつきが発生したりする。場合によってはSESが点灯することもある。
 写真は、同時に購入したプラグであるが、微妙にギャップが異なるものもある。
 日本のメーカーの場合、製品の品質管理や精密さの点からも世界レベルでもトップクラスである。それらが、物づくり大国日本といわれる所以であろうか。
 現に、プラグはアメリカの知り合いからもNGKやDESOが良いと薦められる。
 写真のDENSOは、最近新車でも使われているイリジウムプラグ。0.4mmの電極で発火の効率が良いと言われている。
 写真はDENSOイリジウムプラグ

TOW BAR

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 アメリカでは、30フィートを超えるキャンピングカーのヒッチメンバーにTOW BARと呼ばれる装置を取りつけ、それに接続した車両を牽引するという光景は珍しくない。
 ただし、どの車両でも牽引できるわけではない。非牽引車がオートマチック車の場合、牽引するとトランスミッションが壊れるといわれている。
 ロードサービスの車両がオートマチック車を牽引する場合、駆動輪を浮かせるか、もしくは、プロペラシャフトを切り離して牽引している。
 しかし、実際にわずかながら牽引してもトランスミッションに影響の無い車両が存在する。
 以前アメリカの知り合いが牽引可能データを送ってくれた。その中には、日本製の車両も数台掲載されている。
 例えば、ホンダCRVやトヨタMR2などが掲載されている。アメリカのRVオーナーは、それらの情報を元に非牽引車両を選定している。

パネル塗装

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 知り合いのキャンピングカーの鉄板の一部に腐食があるため、べクトラの部品を製作してくれた会社へ知人を通して再度依頼をする。
 今回も仕上がりの良いワンオフパーツが届いた。
 本日、このパーツに塗装を施す。
 ここ最近、気温が低いため冬型溶剤を使用する。
 この部品は通常黒だが、色変で白に塗る。知り合いの依頼で、、自動車用ウレタン塗料をぶ厚く塗り重ね超鏡面塗膜仕様にする。これによりまわりの景色や風景画綺麗に映りこむ。
 見えない部分のこだわりである。
 

バッテリーの点検

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 朝晩は冷え込む季節。
 本格的な冬が来る前のバッテリー点検は大切である。
 キャンピングカーがバッテリー上がりで動けないとなると、普通車とは違いスペース的にも迷惑になることさえある。
 しばらく乗っていないキャンピングカー、バッテリーを3~5年交換していないキャンピンカー、過去に数回バッテリー上がりを経験しているキャンピングカーなどのバッテリーは、本格的な冬を迎える前に、バッテリーの点検をすることが大切である。
 バッテリーの健康状態は、比重を計ることで確認できる。キャップをすべてはずし、一層ごとに比重計で測定する。
 バッテリー液を比重計の半分ぐらいまで吸い取り、中に浮いているガラスの筒の目盛を読む。おおよそ1.25~1.30であれば正常で、それ以下なら充電もしくは、交換が必要である。

タイヤのエアー漏れ

 軽バモスキャンピングカーのタイヤのエアーが4~5日で1キロ以下に減る。目視では釘やビスなどが刺さった形跡もなく、タイヤは先月新品のタイヤに交換したばかりで山は十分ある。
 仕方なく、タイヤを外し中性洗剤を薄めた水で霧吹きを行う。
 タイヤのトレッド部、リム部には、エアー漏れは見つからない・・・となると、エアーバルブ部の可能性が高い。バルブキャップを外し、バルブ部に霧吹きを行うがエアー漏れは確認できない。
 何度も霧吹きを行うと、バルブの付け根からわずかなエアーが漏れている。バルブを指で左右に動かすと、エアーもそれに伴い漏れている。
 バルブ裏のネジの緩みであることが想像できるため、タイヤチェンジャーを使い、タイヤをホイールから取り外すとダブルナットが緩んでいる状態であった。そのナットを締め込みタイヤを組み、修理完了である。
 つい先日高速道路を走行したばかりであり、もしバルブナットが外れていたら・・・と考えただけでもぞっとする。