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トラックバーのその後

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 リアアクスル周辺のパーツを輸入したり、国内調達したりしながらオーバーホールは順調に進んでいる。
 しかし、トラックバーだけが課題となっていた。
 このトラックバーのネジ部が破損したことが原因でリアアクスル部にも無理かが掛かっていた。
 トラックバーは、車体と車軸を結ぶ重要なバーである。日本では俗にラテラルロッドと呼ばれている。
 このトラックバーのねじ山が壊れ、ナット側、ボルト側が痩せており、このまま組み付けることは不可能であった。また、ボルト専門店でもサイズ、ネジ部の長さ、太さなど全てを満たすボルトの場合、長さが短くなるとのことであった。
 WINNEBAGO社に質問すると、自社でアクスルは製作していないとのことで、リアアクスル製作会社へ連絡・・・しかし、トラックバーの在庫はないとのと。
 仮にそのボルトを溶接した場合、途中からの溶接になるため強度的にも落ちる。ネジ専門店も、知り合いの整備士もこのトラックバーの復元には、大掛かりな作業が必要となり身近なところでは無理との見解であった。不本意ではあるが、調整をあらかじめしておいて、溶接でトラックバーの接続部を固定しようという計画をしていた。
 先日、リアアクスルメンテナンス中に福岡のT氏が遊びに来られた。
 トラックバーの話をすると、「何とかできるかもしれない・・」とのことで、持ち帰っていただいた。
 複数の専門家から、この太さと形状、材質の復元は難しいといわれたトラックバーであるため、ほぼあきらめていたのだが昨晩T氏から、「復元できたので今もって行っている」との連絡・・・。まず、復元できたこということに驚いたが、この短時間の間に復元していただいたことにさらに驚く。
 写真は、T氏が届けてくれたトラックバーである。
 油圧でブッシュを一旦抜きとり、しかも取り付け部からの1本のネジを溶接しており、100%純正の状態である。しかも、調整範囲を広くできるため・・・と長いネジにしてくれている。
 予想をはるかに超えた仕上がりで、調整も可能である。
 T氏に助けられ、べクトラのリアアクスルが微調整可能となる。 取り付けが非常に楽しみである。

問い合わせ

 先日から、リアアクスルの大掛かりなオーバーホールで様々な部品をアメリカにメールで調べている。
 インターネットのお陰で品番さえ分かれば製造元から販売先まであっという間に分かる。
 米国を検索していると、日本の大手商社や大手日本メーカーが出てくることがある。
 国内の商社や大手メーカーに問い合わせをすると面白いこぼれ話を聞くことがある。

<日本大手タイヤメーカーへの問い合わせ>
 エアーサスペンションの米国製造元と日本の大手タイヤメーカーは数年前合併しているので情報が国内で分かると考え電話をしてみる。
 電話をしてみると・・・
 エアーバッグについては、情報が全くないとのこと。
 日本ではメーカーの立場で販売することは厳しいらしい。
 さらに担当者と話をしていると・・・・
 このメーカーでもエアーサスペンションを以前製造しようという計画があったとのこと。
 しかし、日本の車両法が厳しく車検の問題、規格の問題などクリアしなければならない問題が多く、リスクが高いため断念したとのことであった。

<日本大手ベアリング製造元への問い合わせ>
 リアアクスルに使われているベアリングは、米国の大手ベアリングメーカー製。この品番で、米国サイトを検索していると日本のメーカーが出てきた。
 日本のメーカーを日本のサイトで検索していると関連会社が多数国内に存在する。
 しかも、自宅から1時間のところにその関連会社あった。早速電話で問い合わせてみる。
 品番を伝え調べてもらうと、
 「米国の車軸に使われているものであり、インチサイズでである。弊社でもこのインチサイズのベアリングを製造しているが、全て米国での販売となっているとのこと。日本では正規の取り扱いがないとのこと」
 そして、現在手元にあるベアリングに打刻されているメーカーを言い当てた。
 さらに、そのベアリングは米国のメーカーが製造したのが最初で、その後、この国内メーカーが同サイズを製作したとのことである。
 どうして、品番だけで米国の車軸と分かったかを質問すると・・・・
 「ベアリングがインチサイズで国内では販売されていないこと、全て世界共通の品番が使用されているのでその品番だけで車両用と分かったとのことであった。
 マニアックな部品ほど問い合わせをすると、面白い話を聞く事ができることがある。

インチサイズのボルトナット

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 写真は、リアアクスルのラテラルロッド(トラックバー)の固定ボルトである。
 このリアクスルは米トレーラー製造メーカーのものであるため、この製造元へボルトを注文しなければならないことと足廻りに使用されているボルトのため焼きが入って強度が高いため特殊である。
 純正ボルトは、錆が発生し所々ピンホールが発生している。
 このまま使用した場合、ブッシュを傷つけ磨耗させてしまうことが考えられる。
 やはり、オーバーホールをする以上、新品のボルトナットを使用したいものである。
 しかし、米国からボルト数本を輸入するのも気が引ける・・・。
 そこで、以前べクトラの収納庫を国内でワンオフで製作した際に相談したB氏に相談。B氏は、以前軍事用の製品製作に関わっていた人物であり金属加工については豊富な知識を持っている。
 ボルトの長さ、径、質などを電話でやり取りすると、ある店を紹介してくれた。そこに行ってみると長さはほんの数ミリ異なるものの、インチ径、質ともに同等のボルトナットが存在した。
 聞くところによると、アメリカのトレーラーに使用されているボルトナットであっても”規格品”であり、その店は規格品であればあらゆるボルトナットを在庫しているとのことである。
 価格は1本650円。あまりの安さにまとめて数本購入した。

年初めの大作業

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 正月休みを利用し下廻りの点検を行った。
 ボルトのガタつきや車体下の損傷などを念入りに点検する。
 車両中央部くらいまで点検し、後輪側を除くと後輪2軸目のラテラルロッドの角度が少しおかしい。
 1軸目と2軸目のタイヤの位置を測定してみると、後輪が右にずれてる。
 ラテラルロッドの調整ネジもずれた位置にある。ラテラルロッドを外して点検をしようと思い手持ちの工具で回そうと試みるがボルトの頭をなめそうになり緩まない。どうもボルトがブッシュと固着していそうないやな予感である。
 仕方なく、往復3時間かけてインチ工具特大のソケットを買いに行く。
 特大ソケットを使い、車体側のボルトナットは緩んだが、ホーシング側が緩まない。やはり固着は確実のようである。プーラーを使ったり、叩いたりするが一向に緩まない。
 このまま無理をして力をかけるとブッシュが切れて使い物にならなくなる。宮崎自動車と検討の末、ホーシングをごっそり外しそのボルトを大きなハンバーで叩くことにした。
 もちろん、ボルトは壊れることが前提である。
 大きなハンマーを10回ほど力いっぱい振り下ろし、ようやくボルトが抜けた。幸いなことにブッシュは傷んでいない。
 抜けた状態を確認すると、やはりブッシュの中の金属部とボルトが錆で固着していた。
 たかが一本のボルトを取り外すために大掛かりな作業となった年初めの大作業である。

塗装日和

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 天気予報では、今日は比較的暖かいが、明日から数日寒波が来るらしい。ということは、今日を逃すと塗装のチャンスは年を越してしまう可能性がある・・・・。
 という訳で急いで塗装の準備をし補修を行った。天気予報どおり太陽も照りつけ気温も比較的上昇した。今日は、冬型のシンナーを使えば充分な塗装日和であった。
 

板金

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 先日から普通車のバンパー~フェンダー~ドアの板金を行っている。雨や曇りで気温も低く塗装には条件の悪い日が続いているため塗装する日のタイミングがなかなかない。
 気分的にも今年中に仕上げたいのだが中々作業が進まない。気温や天候などを考えるとこの時期の塗装はあまり気が進まない。
 

FFヒーター

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 キャンピングカーの本場アメリカンRVでFFヒーターと言えばサーバーバーンが最もポピュラーである。
 一方、ヨーロッパではべバストがポピュラーである。べバストについては、ポルシェをはじめとするWV系の一般の車両にも採用されている。
 その信頼性とコンパクト高性能は、サーバーバーンの比ではなく静粛性、燃焼効率、経済性などを考えてもべバストに軍配があがる。

ユーザー車検

 昨日の記事にあるように、ユーザー車検は、実費のみしかかからないため激安である。
 車検を受けるための書類に記入し、検査ラインを自分が運転しながら各テスターで測定を受ける。
 事前の車検準備として、重要保安部品の点検などは専門業者へ依頼するとしてもその他自分でできる範囲内のメンテナンスを施すことは大変重要である。
 検査内容とは、関係のないメンテナンスとなるが、LLCの交換、オイルの交換、必要に応じてATFオイルの交換、プラグの交換など施すことは車両を長持ちさせる上で大切である。

単位

 先日、クランクやエンジンヘッドなど締め付けるために英文サービスマニュアル片手に作業を行う。
 マニュアルの各ボルトの締め付けトルクを確認すると全てN/M表示である。
 日ごろ使わない単位に戸惑いながらトルクの設定を試みるが・・・・メモリが足りない。
 要は、現在手持ちのレンチのトルクが大きいため、エンジンのボルトの締め付けには使用できないということである。
 結局、新たにコンパクトなサイズのトルクレンチを購入する羽目になった。

一瞬の技

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 エキゾーストパイプのつなぎがきっちり入ってなく、エキ漏れが発生していた。以前修理を試みたが、手持ちの工具では手に負えない内容であった。
 長年の付き合いのK氏に相談すると「多分短時間で片付く・・」との心強い回答。早速大掛かりな機材を遠方から持参してきてくれた。結果、K氏の予告どおりほんの数十分で修理が完了した。
 複数の機材の組み合わせによる修理の手際の良さには驚かされるばかりである。

メンテナンスを施していないキャリパーの中は・・・・・

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 写真は、昨日のキャリパーに入っていたピストン。
 予想どおり錆や汚れがなどによる汚れがひどい。
 
 

メンテナンスを施していないキャリパーの中は・・・・・

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 写真は、F35のブレーキキャリパーである。
 ブレーキオイルは劣化とかなりの変色。さらにキャリパー内部に細かい異物が無数にある。
 久々にこれほど汚れたキャリパーを拝見させていただいた。
 ヘンリーフォードが世界初の量産車を造ったフォードだけあって、これほどの汚れに対してダストブーツとピストンシール4つのうち3つはほぼ健在であった。
 キャリパーを見る限り、相当過酷な状態になっていたことが想像される。