最近、トウド牽引に関して書きましたし、以前も何度か書いています。
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=599
http://www.net-camper.com/cgi-bin/rv-ken/diarypro/diary.cgi?no=151
今回はトウバー購入の視点から、トウバーと、トウバーの接続/取り外しの作業に関して書いてみたいと思います。
A. トウバーの種類:
トウバーの種類には色々あります。 ヨーロッパ式とアメリカ式、強度的に軽量の簡易タイプやクラスⅢ(5000ポンド=2300Kg)/クラスIV(10000ポンド=4500Kg)、ボールヒッチと2インチ角挿入タイプ、その他トウバー製造メーカー固有の接続金具が装着されています。
トウバーは昔から在りました(当然)がチューブやアングル材等を曲げて作った物が主でした。 トウドが1980年前後から急にポピュラーに成り、1980年台半ばに一方のアームが伸縮出来て牽引をしない時はトウドの全部に横向きに折りたためるタイプが登場、それまでの固定した形状のトウバーに比べてトウドに接続も容易に成りました。
同じ頃に、左右のアームの伸縮可能なトウバーを折りたたんでRVの後部に収納するタイプも登場、1990前後には7-8社がこの伸縮型トウバーを製造、どれも同じ様に売れて居ました。しかし、その後RV産業が停滞した時期に消滅した会社もあり、現在はこのタイプ(RVの後部に収納)の80%以上はブルーオックス製と思われます。 その理由はブルーオックス社は一連の牽引関連グッズを製造し、特に種々のベースプレートの販売を始めて牽引装備選択を簡単にした為だと思われます。 ベースプレートの数は異なる自動車メーカー、モデル、年式用に恐らく数百種類を製造していると思われます。
http://www.blueoxtowbars.com/
以前はトウド前方収納型のトウバーを良く見ましたが、最近は殆どがブルーオックス製のRV後部収納型です。
トウドを牽引して走行中にトウバーが外れたり壊れたりすれば大事故につながる可能性が髙いのは当然ですし、接続部分の遊びが大きいと前後左右に余分の大きな力が生じて危険な状態になる可能性が出て来たり、トウドの摩耗を早めたり、安全運転にも影響を起こします。
トウドを牽引して走行中にトウバーが外れたり壊れたりすれば大事故につながる可能性が髙いのは当然ですし、接続部分の遊びが大きいと前後左右に余分の大きな力が生じて危険な状態になる可能性が出て来たり、トウドの摩耗を早めたり、安全運転にも影響を起こします。
日本では海外から輸入されたトウバーが多く、送料を軽減する為にプレス加工をした金属板やアングル材をネジで組み立てるタイプも多いと思われますが、全てのトウバーのねじが緩んで居ない事を時々確認する必要があります。
上のイラストの説明:
2種類のトウバー、即ち現在多くのRVerが使用しているアーム〝伸縮RV後部収納タイプ”(上左)と〝簡易タイプ”(上右)の比較が説明してあります。
〝伸縮RV後部収納タイプ”はレバー(リングやボタンを押すタイプもある)を押せばアームが伸縮する事が出来ますので接続時にトウドを正確な場所に停める必要はありません(中左)。 此れに対して〝簡易タイプ”は左右前後、正確な位置に駐車をしませんと接続用ピンが入れる穴が一線上に並ばない為に、何度も前進後退を繰り替えしたり無理をして接続する様な事に成ります(中右)。
〝簡易タイプ”のトウバーでも可能ではありますが、牽引RVとトウドとの間に角度がある場合でも〝伸縮RV後部収納タイプ”でしたら左右のアームの長さを自由に変える事が出来ますので、簡単に接続する事が出来ます(下左)。
B. トウド接続:
トウドを牽引する際は、トウバーの接続以外に、トウドのブレーキライト、トウドの補助ブレーキの準備も必要ですが、今回はトウバー接続/離脱に的を絞ります。
トウド牽引を何度か繰り返しますと当然の事であり、又RVerはそれぞれ特異な方法で行っている方もいらっしゃるかも知れませんが、私が〝伸縮RV後部収納タイプ”を使って毎回行っている順番を書きます。
1.RVの後ろに、トウバーの左右のアームとも接続出来る範囲の位置にトウドを停車させる。 この場合トウバーが接続出来さえすればRVとトウドは一直線上に無くても、即ち異なる方向を向いていても全く問題はありません。
2. RVとトウドの向いている方向は自由ですが、バーの長さは出来るだけ同じ(10cm以内)ですと接続後にトウドを後退させる事で簡単にアームはラッチ(固定化)します。 異なるアームの長さ(ラッチされて居ない)の状態でも牽引を始めますとトウドが1-2回左右に蛇行した後アームは伸びた状態でラッチ(固定化)しますが、蛇行をする事で無理な力も掛かりますし、車や人と接触事故を起こしたり、急ブレーキが必要に成ればトウドはRVに追突状態になりアームを曲げたり壊したりする可能性も起きます。 従って、私は走行を開始する前にアームをラッチさせています。
3. アームが長い方にハンドルを切って左右のアームの長さを同じにさせる積りでトウドを後退させますと、通常一度で左右のアームがラッチ(固定)します。 片側だけが固定した場合は何度か切り返しが必要になりますが、助けを借りて固定した方のレバーを押さえてフリーにすれば前後に移動出来る距離は大きくなり、簡単に両方のアームを固定する事が出来ます。
4. 安全ケーブル(チェーン)、トウドブレーキ用電気ケーブルを接続します。
一つ気を付ける必要がある点は、安全チェーン(ワイヤー)をアームが短い状態で繋げて十分な余裕無い場合、アームが完全に伸びず、固定させる事が出来ません。 この状態で走行をしますとトウドは左右に大きく蛇行を続けます。
5. キーをイグニッションに差し込み、通常アクセサリーの位置にしてハンドルが自由に回転する状態にし、トウドの補助ブレーキ点検、ブレーキライト/方向指示灯/パーキングライト等が正常に機能をしている事を確認し、車メーカーの指示に従ってギヤーをニュートラルの状態にします。
C. トウド離脱:
〝簡易タイプ”のトウバーを使用している場合は、RVとトウドが直線状態になってから停止する必要があります。 曲がった状態で〝簡易タイプ”のトウバーを外すと抵抗が大き過ぎてピンはキツクて抜くのが難しく、特にカーブやUターンが出来ない事が分かってからのトウバーの取り外しは最悪で、悪夢です。
1. RVとトウドが直線状態で停車が好ましいのではありますが、〝伸縮RV後部収納タイプ”のトウバーを使用している場合は必ずしもその必要はありません、短く成りたがっている方のアームのレバーを押しますとトウバーに掛かっている無理な力が無くなります。
2. アームが自由になった状態で最初にサイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引きます。 ブレーキを掛けずにウッカリ、ピンを抜いて仕舞いますとトウドは逃げ出して仕舞う事もあります。
余談:
アメリカにはサイドブレーキやパーキングブレーキの事をイマージェンシーブレーキ(緊急ブレーキ?)と呼ぶ人が昔は沢山居ましたが、最近はどうなのでしょう? トウドの場合はイマージェンシーブレーキに成らない様に注意が必要です。
D. 最後に:
トウバーの動く部分に時々シリコンオイルを付けますと、特に砂利道等走行時には砂埃での摩擦に依る摩耗が減ります。 摩耗は主にピンで起こりますのである程度摩耗すればピンの交換も可能ですし、ブルーオックス社の場合は全ての交換部品が販売されています。
牽引をする場合は安全性が重要ですし、〝簡易タイプ”と〝伸縮RV後部収納タイプ”では利便性が全く異なります。 少々高価ではありますが、一度買えば一生使えますので〝伸縮RV後部収納タイプ”の購入をお勧めします。
余談:
日本では、トウド牽引には牽引免許が必要と思われますが、アメリカでは必要ありません。 乗用車の免許を持って居れば殆どどんなRVでも運転が出来ます。 40フィートまでのクラスAは乗用車の免許で乗れますし、大型フィフスホイール(牽引)も乗用車の免許で乗れます。
未承認 2024年08月27日(火)21時20分 編集・削除
管理者に承認されるまで内容は表示されません。