ラジエターの冷却水(LLC=ロングライフクーラント)は,基本的に通常2年ごとに交換。クーラント自体2〜3年で劣化,防錆作用が低下すると言われています。
ちなみに,4〜5年使用を続けると防錆作用がほとんどなくなり,どろどろになってラジエター内部やエンジンのウォータージャケットを錆びさせ,それが元でオーバーヒートの原因やエンジンの破壊につながることもあります。特に車重のあるキャンピングカーにおいては,必然的にエンジンを過負荷運転させれているため,水温も上昇します。オーバーヒートやエンジンの破損の予防に冷却水のメンテナンスは欠かせません。
このページは,ラジエターの冷却水の交換についての解説です。
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劣化したLLCを抜く |
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LLCの交換で,エンジン側のドレンが見つからない場合があります。この場合は,ラジエター内の冷却水だけでも交換しましょう。このような場合は早めのサイクルで交換をお勧めします。
LLCの簡単な汚れ具合チェックは,リサーバータンクの中やラジエターキャップを外し裏面の状態を見て確認します。
この際,ラジエターキャップの負圧弁やシールパッキンに異常がないかどうか確認します。(熱いときは開けない)
ラジエター下にドレンプラグがあればそれを外すすことでLLCが流れ出ますが,ドレンプラグがない車輌の場合はラジエターロアタンクに近いホースを外し液を抜きます。
また,膨らんだラジエターホースは破損,液漏れの原因になる恐れがあります。この場合は交換をお勧めします。ラジエターホースが固着している場合は,隙間にマイナスドライバーを差込み,その隙間にスプレー式潤滑油をスプレーしドライバーを回していくと容易に取れることができる。 |
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LLCとそのはたらき |
LLCの主成分は,エチレングリコール。役目としては,腐食防止,凍結防止,オーバーヒート防止です。通常LLCはホームセンターなどでも容易に手に入り,原液の状態で販売されていることがほとんどです。
これをそのままラジエターに入れるのは禁物です。オイルジョッキ(新品)などを使い,水とLLCを混合させ希釈しなければいけません。通常はLLCを30%で使用しますが,寒冷地では50%と濃度を濃くします。30%というのは,LLC3リッターに対して,水7リッターの割合で合計10リッターとなります。 |
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ラジエターの点検 |
LLCを交換すると同時に,以下のことも確認しましょう。
@ ラジエターキャップの負圧弁の具合,シールパッキンの磨耗,破損の点検。
A ラジエター,リザーバータンクに錆びの混入の点検。
B ラジエターからの漏れがないか。
C ラジエターホースの傷みがないか。(ホースバンド付近が膨れているようなら交換をお勧めします)
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補水の注意点 |
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ラジエターにLLCを入れる場合,水の通り道の中に空気が入っており,LLCを注入していくとLLCの中に空気がたまっている部分ができます。このエアー(空気)は必ず抜かなければなりません。このエアーが入ったままになるとエアーが熱でが膨張しサブタンクからLLCが噴出したり,ラジエターホースの破損,ラジエターキャップの破損,ラジエターの破損など様々な障害が予想されます。
特にクラスAやクラスCなどでリアヒーターが装備されている車輌は,フロントからリアまでヒーター用の耐熱ホースでラジエターのLLCが流れています。高さもラジエターより高い位置に取り付けられていることもあり,大量のエアーが入ってしまいます。(エアー抜きのバルブがリアに設けられている車輌もあります)
左の写真は,オイルジョッキを使いLLCを入れている写真です。右側は,専用の工具を使いLLCを入れているところの写真。右の工具の場合は,自動的にエアー抜きを行ってくれます。
専用工具を使用せず,エアーを抜く場合は,アイドリング状態でヒーターのレバーをONの位置,ファンは回さない状態でラジエターキャップを開け,しばらくアイドリングをさせます。ラジエターの注入口部分からボコ・・・ボコ・・・とエアーが抜けるのが確認できます。ある程度時間が経過し,エアーが抜けなくなったらほぼ終了です・・・・がクラスA,クラスCのリアヒーター付き車輌は完全ではない場合があります。この場合は,上記エアー抜きを繰り返してください。
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サブタンクの量 |
ラジエターサブタンクについても一旦取り外して中を綺麗に洗浄し,再度取り付けます。サブタンクも同じ比率のLLCを入れます。量は,アッパー,アンダーラインの中間程度。上限一杯まで入れるのは禁物です。サブタンクは,膨張によるLLCの体積の増減を調整しているタンクです。また,このサブタンク内がかなり汚れているようであれば,ラジエター,エンジンのウォータージャケットなどがかなり汚れている可能性があります。その場合は,ラジエター洗浄剤などを使い清掃しましょう。(ホームセンターでも入手可能:使用は説明書をご覧ください。)
余談ですが,トヨタ系は赤のLLCが使用されています。色はLLCの性能とは関係ありません。代表的な色に赤,緑,青がありますが,赤は錆びを見分けにくい(錆びがLLCに混入していても見つにくい)と言われています。異なる色に変更することも良いかもしれません。 |
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