キャンピングカーの室内に取り付けられている照明は、蛍光灯または、白熱灯または、蛍光灯がほとんどです。
 これらの照明は、バッテリーのエネルギーを利用して発光します。
 当然、明るければ消費電流も大きくなり、サブバッテリーの消費も大きくなり時間の長さと比例して能力も低下してきます。
 また、たくさんの照明を点灯させれば、それだけ多くの容量の電流を消費することとなり、バッテリーが放電状態になることもあります。
 電気の節約はサブバッテリーを保護する上でも大切なことですが、暗いと不便です。
 電気の節約と照明の便利さを両立できないか??
 具体的には、長時間照明をつけっぱなしでもバッテリーのエネルギーを少ししか消費しない照明器具があれば・・・。
 そこで注目したのが、LED(高輝度LED)です。この製品の詳しくは以下で説明していますが、
消費電流が極端に少ないという大きな利点があります。このLEDがキャンピングカーの照明に利用できればサブバッテリーに負担をかけることなく一晩中でも点灯させることが可能となります。
 という発想から純正の白熱球を利用して製作したLED照明器具製作レポートです。 
LEDとは?
 LEDは、従来の照明器具と比べて、寿命が10万時間と長く、消費電力が小さい。 蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱電球の代替え製品として期待されています。
 LED は、「光を発生するダイオード」であり、ダイオードは一方向にのみ電流を流す特性を持つプラスの性質を持つ半導体とマイナスの性質を持つ半導体を接合して作られるものです。

 LEDは戦後開発され、年々明るさが向上するとともに、黄緑色〜(黄色、橙色)〜赤色までの LED が開発されてきました。目には見えませんが、センサーなどに用いられる赤外の LED もあります。
この
LED は白熱電球に比べて 寿命が長く(電球の10倍以上)、 消費電力が極端に少ない(電球の 1/5 以下) ので非常に優れている照明器具?です。

◆ LはLight(光)、EはEmitting(出す)、DはDiode(ダイオード)の頭文字をとりLEDです。
◆ 光はGaN系青色LEDとYAG系蛍光体を組み合わせることで、白色を発光しています。
◆  パッケージに塗布したYAG系蛍光体が青色光を黄色光に変換し、これが青色LEDの青色光と混ざるために白色となります。

 キャンピンキャンピングカーに使用されている発光するランプには、「白熱電球」と、「蛍光灯」があります。
 白熱電球は、ガラス玉の中にあるフィラメントに電気が流れると、高熱を発しそれが光となります。これにより、電気がついているときに触れると非常に熱くなります。消費電流も結構あり、数個のランプを一晩中点灯させておくと翌日は放電状態になっていることもあります。

 一方、蛍光灯は、蛍光管の内部には紫外線が当たると光を出す物質が塗られており、蛍光灯に電気を流すと高電圧が発生し、この高電圧が蛍光管に放電を起こし、発生した紫外線が蛍光物質と反応して光を発生しています。

 これらとLEDとは光りを発する原理が全く異なります。

 
LEDを発光させるには・・・
 LEDの発光する明るさは一般的にmcd(ミリカンデラ)という単位が使われます。
 明るさは数mcdのものから数1,000mcdまであり、数100mcd以上のものを高輝度LED、1,000mcd以上のものを超高輝度LEDと呼んでいます。
 
◆発光させるにはそのLEDの製品規格に表わされている電圧以上の直流を必要とします。

◆一般的に使用されているLEDの電圧の規格は1.7V〜5.5Vで、製品によって電圧が異なるので自作には電圧の調整をする必要があります。また、電流も規格内に制限(20mA以内程度)されます。
 このLEDに直接12Vを流すとジリジリ・・・という音ともにLED内部が一瞬にして焼けてしまいます。

◆ LEDランプと直列に電流制限抵抗を入れてやる。(入れないと焼けます。)

◆電流制限抵抗値の計算方法については以下の式で求められます。
                抵抗値(?)=(電源電圧−LED電圧)÷電流


◆ 別の電流制限方法として定電流ダイオード(CRD)を使用する方法があります。今回はこのCRDを利用して白熱球を改造しています。

◆CRDはこれにかかる電圧が規格内(25V以内)であれば、電源電圧に関係なく電流が一定となるので安心して使えるメリットがあり、車などのようにオルタネーターの発電量により電圧が変動する場合には非常に有効なパーツです。

◆LED、CRD共に極性があるので注意が必要です。
土台づくり・・・・
 白熱球のを準備。
ソケット部の大きさは同じであるが、ガラス球の大きさ、ワット数が違うものを準備。もちろん、中のフィラメントの大きさも異なります。
 白熱球のガラス球部分を割り、フィラメントが出た状態。
 この2つの極線に直接LEDをハンダ付けしようかとも考えたが、極線自体が弱く、この状態でハンダ付けしてもショートなどの危険性があるため、この極線と中身を全て取り払い、金具のみにしてLEDの足を地下にハンダ付けすることに決定。
LED組み込み・・・・
金具の中身を全て取り除いたことろ LEDとCRDの足を適当な長さに切り、をハンダ付け もう1つのLEDをハンダ付け
LED点灯!・・・
 金具にハンダ付けしたLED。
 配線は点灯テストさせるための仮配線。
 金具とLEDの足が接触しないようにコーキングを入れる。
 安定化電源にて点灯テスト角度にもよるがかなりの輝度がある
照明ソケットに装着点灯
 白熱球の光
 (純正白熱球)

 純正の白熱球はどちらかと言えば黄色っぽい色合いである。
LEDランプの光

左の純正白熱球と比較するとわかるが、青白い光でどちらかといえば蛍光灯に似た光である。
 LEDランプにカバーを取り付けた状態。
 
 点灯中に指でLEDを触ってもほとんど熱を感じない。
 白熱球だと焼けどするくらいに熱くなる。
LED球の使用感・・・
 この2つのLEDを使ったLED照明の使用感は白熱球に比べると光量不足。といっても本を読む程度なら充分可能である。
 バッテリーの消費電流の極端な少なさを考えると充分であると思われる。
 また、上写真のランプは長時間白熱球(純正ランプ)を点灯させているとカバーが熱により溶けることがあるが、このLEDだと熱をほとんど発生しないのでカバーが溶ける心配もない。 
 今回製作のLEDランプは10〜15ミリアンペアしか消費しない。ディープサイクルバッテリーだと何ヶ月でも点灯したままの状態が可能という計算になる!?この消費電流を考えると充分価値あるLED球である。

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