エンジンオイルを定期的に交換していても,案外ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)の交換まで気が回っていないことがあります。ATFは交換しなくても良いという声をたまに聞きますが,これは全くの間違いです。 汚れたATFを使用しつづけることは,ミッションのトラブルを招きます。 キャンピングカーは車重があるため,架装していない車輌と比較した場合エンジンを高回転で必然的に回すことになるためATFの汚れの周期も早くなると考えたほうが無難です。 |
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AT(オートマチックトランスミッション)について@ | |||
ここ近年のATは,ロックアップ式や4速ATが軽自動車にも搭載される時代になってきました。 しかし,ATについてある程度の知識がないと,故障や事故を招くこともあります。 ここで,問題です。 ============================================ ★長い坂をNレンジ(ニュートラル)のまま走行しても大丈夫でしょうか?またその理由は? ============================================ 答えは,NOです。 その1つにブレーキの焼きつきを起こす可能性があることと,ブレーキングを行っても思った以上に制動距離が伸びることです。 2つめは,ATが壊れる可能性があることです。ATの内部はエンジン同様回転しているのにNレンジに入れることによってATにオイルが回らなくなりオイル切れによりATを壊してしまう可能性が出てきます。 |
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AT(オートマチックトランスミッション)についてA | |||
暖機運転しないで急発進することはATにとってよくありません。これは,油温が一部のところだけ上昇し,ほかのところが冷えている事態になり,オイルの供給量が違ってきます。これにより,一部の部品が膨張しクリアランスが異なってきます。急発進についても,コンバーターの中で攪拌されフォワードクラッチに対するストレスが起きてしまいます。 ATを労わる運転とは・・・・@暖気運転を行う A急加速をしない これがポイントです。 |
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AT(オートマチックトランスミッション)についてB | |||
ATFのメンテナンスはエンジンオイルの交換と異なり,特に慎重に行わなければなりません。
ATは大まかに3つの部位で構成され,それぞれのところでATFの役割が違います。 トルクコンバーター内部では,ATFは冷却作用の役割をします。また,プラネタリーギアの中では,ギアとクラッチなどの潤滑を行う役割をします。ハイドロリックコントロール部では制御装置の作動油としての働きをします。 このような複雑な役割をするオイルであるため,酸化安定性,粘度と粘度指数,泡が発生しない,気化しない・・・・といった特性があります。 このような性質から,ATFの取り扱いを間違うとATを壊してしまうことも充分あり得ます。 例えば,ATFの入れすぎはフォーミング(あわ立ち)を起こしてしまいます。また,エアーをかみ,一部のところが潤滑不足になったり,必要な油圧が発生しないなどの現象が発生します。 逆に,ATFの少なすぎはクラッチがすべる可能性があります。但し,多すぎよりも少な目のほうがATに与える影響は少ないと言えます。 |
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ATのオイル量の計測の仕方 | |||
ATのレベルチェックについても慎重に行う必要があります。 まず,車輌を水平な場所に停車し,エンジンを暖気後,アイドリング状態で以下のことを行います。 @ATのレベルゲージを抜いて付着しているATFをふき取り,再度レベルゲージに差し込む。 A再度ゲージを抜き,ゲージに付着したATFがHOTの位置に入っているかどうかを確認する。 このようにATFの油量点検は,フルードの温度が70〜80度のことろでチェックします。これは,温度によって体積が変化する(膨張)するからです。 また,ATFをふき取る場合は,毛羽立たない綺麗な綿などを必ず使用します。ATはタオルの繊維や髪の毛が混入しただけでも不具合が発生すると言われています。 |
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ATの交換実践編 クラスA P30シャーシ | |||
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ATの交換のまとめ | |||
@キャンピングカーのATFは無架装の状態に比べ汚れの度合いが進んでいることが多い。 AATFは現在入っている規格のものと同製品を必ず入れる。 BATFはごみ,埃がATの命取りになることもあるので慎重に。 CATF量を測定する場合は,エンジンをかけた状態で測定する。 |
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