オナンン発電機 エメラルド修理事例

 
ジェネレーター概略
搭載車輌 アメリカ製クラスA
発電機 ONAN EMERALD (オナンエメラルド) 4キロ
症 状 去年使用時にエンジン停止。その後数回作動させてみるが約10分前後でエンジン停止。
オーナーの友人が、キャブレターのフロート室とニードルを扱ったとのこと。
その後、何度か始動を試みるが、クランキングはするが初爆なし。
症状の確認
 不動エンジンの確認ポイントである火花、燃料をチェックする。プラグをはずし、クランキングをさせると火花は出ている。次に燃料ホースを外し、クランキングをさせると、燃料もポンプから正常な燃圧ありそうである。その他、プラグのやけ具合、エアーフィルターなどもチェック。火花、燃料、ともに正常であり、オーナーの友人が去年キャブレターを扱ってから、始動していないということから、キャブレターに原因があると特定。オーバーホールキットを輸入し、オーバーホール行う。
ジェネレーター故障箇所特定
 エアークリーナーのボルト1本と、キャブレターとを固定している3個のボルトを外す。  スロットルリンケージのピンを外す。  2本の2分の1インチのボルトを取り外しエンジンからキャブレターを取り外す。
 ニードルを取り外しキャブレターを分解する。取り外したニードルを確認すると、ニードル先端に段が付いている。これがエンジン不安定の大きな要因となる。(注1)  フロートケースには、錆が沈殿しておりケース自体腐食がある。これらがジェットを詰まらせている原因が充分考えられる。(注2)  ジェットをマイナスドラーバーで取り外す。取り外したジェットはキャブクリーナーで清掃する。
 フローと固定のねじをとり、フロートを取り外す。  キャブレターのOリングを取り外し、新品に交換する。。
 フロート制御しているニードル。これもキットの中に入っているので新品に交換する。 
 念のため、オイルプレッシャースイッチも新品に交換する。  分解した逆の手順で組みつけていく。エアークリーナーを取り付ける前に動作テストを行う。
 結果、セル一発始動で修理完了。
注1)
 キャブレターのニードルは、オーバーホール時以外には、安易に回さないことが鉄則です。
 よく締めすぎでニードルが傷つきエンジン不調になることがあります。この場合、ニードルを交換しなければアイドリング不調は直りません。
 よくニードル(ねじ類)を回したがる人がいますが、これにより正規の調整がずれさらにエンジン不調になるケースがあります。
 キャブ調整は、規定の回転数がありますのでマニュアルに調整しなければいけません。

注2)
 キャブ内部で発生した錆は、ジェットを詰まらせ不調になります。この場合、ケースを新品に交換するか耐ガソリンの塗料で塗装するかで錆の発生を完全に抑える必要があります。

今回の原因
 今回の発電機不良の原因は、オーナーの友人がキャブレターを扱ったことが原因と断定。理由は、ニードルに多きな段が付いておりかなりきつく締めたことが想像されます。最悪の場合、ニードルの先端が折れ込むケースもあります。この場合、修理はかなり大変な作業になります。
 また、調整も正規の回転数に調整されていないため、リッチの設定になっていました。
 キャブレターの調整は、必ず専門家に任せることをお勧めいたします。
作業時間 作業難易度(5段階)
(5が難易度が高い)
作業のポイント 実用度(5段階)
(5が実用度が高い)
トータル
約2時間
4
(調整が難しいため)
○ キャブレターの取り外しは、2分の1インチのスパナが必要。かなり狭い部分での作業なので5センチ以下のスパナを準備すると作業が可能。
 本修理を終えて。。。
 今回は、オーナーのご希望で、オーバーホールキットのほかに、オイルプレッシャースイッチ、コントロールボードなども輸入。。。。これだけのパーツを輸入しても、国内で販売されているコントロールボード1個分の値段よりさらに安い。。。円安の現在でも割安である。

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