キャンピングカーには,方式の異なる数種類のトイレが存在します。それぞれに良さがあり,それぞれのオーナーの汚物処理できる環境にもより簡便性が異なってきます。
このページはその数種類のトイレの方式と簡単なメンテナンスについての解説です。
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キャンピングカーのトイレは? |
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カセットトイレ |
マリントイレ |
ポータブルトイレ |
燃焼式トイレ |
車体壁側に扉があり,汚物の溜まったカートリッジを取り出し汚物を棄てる方式。ある程度の容量がある。
トレーラーや国産キャブコンなどに多く採用されている。
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車体にブラックタンク(汚物専用タンク)が固定されており,タンクに取り付けられているバルブに専用ホースを接続して下水口などに汚物を棄てる方式。
容量が大きいものが主流。
アメ車に多く採用されている。 |
便座部とタンク部が分離でき,汚物を棄てるときはタンク部のみを車外へ持ち出し汚物を棄てる方式。容量が小さくトレーラーやバンコンなどに採用されている。 |
汚物を電気で燃焼させる方式。汚物が燃焼されるため,汚物の体積は小さくなる。
屋外作業車などに採用されている。
高価なためキャンピングカーには多用されていない。 |
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トイレのエネルギーは? |
カセットトイレ |
マリントイレ |
ポータブルトイレ |
燃焼式トイレ |
使用後はあらかじめ溜めておいた水を流す簡易的な水洗トイレ。
水を送り出すためのエネルギーはエアーによる圧縮(手動ポンプ),12Vウォーターポンプなどがある。 |
使用後は水タンクの水を利用して水を流す簡易水洗トイレ。
水を送り出すためのエネルギーは12Vのウォーターポンプ。
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使用後は本体にあらかじめ溜めておいた水を流す簡易的な水洗トイレ。
水を送り出すエネルギーエアーによる圧力(手動ポンプ)が主流。 |
使用後は水を流す簡易水洗。水を送り出すエネルギーは12Vのウォーターポンプが主流。
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トイレの水の流れは? |
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マリントイレの場合は,キッチン,シャワーなどに使用するための水タンクの水を共用している場合がほとんどです。
左の図のように,水タンクからウォーターポンプ〜トイレへと水が流れます。
この際,トイレのレバーを押すことで,ウォーターポンプ〜トイレまでの水圧が低下がりウォーターポンプの圧力スイッチの接点が接触することでウォーターポンプのモーターに電気が流れ水流を発生します。
また,トイレのレバーを戻すとウォーターポンプ〜トイレまでの水圧が上昇し,ウォーターポンプの接点が離れ,モーターへが停止します。
水圧の検出センサーは,ウォーターポンプに組み込まれています。 |
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トイレのメンテナンスは? |
トイレは,方式により若干のメンテナンスは異なるものの基本的な考え方はある程度同様です。
以下は,燃焼式を除いたトイレの共通の考え方です。但し,メーカーや型式によりそれぞれのメンテナンス法が異なることもありますので,マニュアルで確認したり,車輌を購入したショップへ確認をされてください。
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汚物はできるだけ早く処理する。汚物を放置しているとタンク内で発酵し異臭の発生,害虫の発生の原因になります。汚物はできるだけ早く処理するよう心がけましょう。 |
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汚物を棄てた後のタンクには,ある程度水をためさらにその水を棄て洗浄を行いましょう。(アメリカには専用の高圧洗浄機が売られています。) |
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洗浄を行った後のタンクには,水を溜めておきましょう。これは,排水バルブのゴム製のシールが硬化したりひび割れたりするのを守るためと次回トイレを使用するときのためです。
水を溜めておくことにより汚物が水によって薄められ,悪臭や害虫の発生を抑える効果が期待できます。
(寒い地方の冬場は氷結による破損に注意してください。ラジエターの不凍液を混ぜるという方法もあるようですが,不凍液自体塗装を痛める性質があるため注意してください) |
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塩素系,酸性の中和剤や洗剤の使用は避けましょう。家庭用のトイレとは異なりトイレの末端には排水バルブがありこのバルブのパッキンを痛める可能性があります。洗剤などは中性のものの使用をお勧めします。 |
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トイレットペーパーは水に溶けるものを使用しましょう。ティッシュペーパーの中には水に溶けないものもあります。溶けないものは堆積し,タンク内に残ってしまうことがあります。これが繰り返されトイレの詰まりが発生することがあります。 |
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トレイルームが臭い場合,便器のまわりに飛び散った尿が菌になり悪臭を発生させていることがほとんどです。
この場合,トイレルームの床面を床に合った専用の洗剤などを使用して掃除することで解消されることがあります。 |
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マリントイレとブラックタンク車輌の汚物処理ワンポイント |
以下はマリントイレ&ブラックタンクの車輌で,ブラックタンクを石鹸水で洗浄する方法です。
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排水口に専用のホースを接続する。 |
A |
ブラックタンクのバルブレバーを一杯引き汚物を棄てる。(ここまでは通常どおり) |
B |
排水ホース(排水口に近いほう)を排水口よりも高く持ち上げる。 |
C |
ブラックタンクのバルブレバーを一杯ひいたままの状態で,グレータンクのバルブレバーを一杯ひく。
これにより,(ホースを持ち上げているため)シャワーなどで使用した石鹸水混じりの水がグレータンクからブラックタンクへと流れる。 |
D |
ブラックタンクとグレータンクの水位が同一になったようであれば,グレータンクのレバーを戻す。(ブラックタンクはもどさない) |
E |
持ち上げている排水ホースを下ろす。これにより,ブラックタンクに流れ込んだ石鹸水混じりの水が排水される。 |
F |
上記B〜Eを繰り返す。 |
上記の方法でブラックタンクを洗浄する場合は,排水口とホースを確実に取り付けてください。取り付けが不十分ですと,ホースが抜けてしまう可能性があります。また,劣化したホースは破れる可能性もありますのでご注意ください。 |
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